ジャック・マー氏とイーロン・マスク氏、WAIC2019で地球の未来とAIについて対談

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ジャック・マー氏とイーロン・マスク氏、WAIC2019で地球の未来とAIについて対談

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先月29日、第2回世界人工知能大会(WAIC2019)が上海で開催された。

全プログラムの中で最も注目を集めたのは、同日に行われたアリババ会長(当時)のジャック・マー氏と米テスラCEOのイーロン・マスク氏の対談に違いない。

その前日に杭州で開催された「2019年世界女性起業家会議」の場で、マー氏は「あと二週間でアリババの董事長ではなくなるが、これは引退を意味するのではない」と語っている。

マスク氏にとって、中国は北米に次ぐテスラ第二の戦略市場になるだろう。8月初め、テスラの公式微博(Weibo、中国版ツイッター)でも、上海のギガファクトリーの建設は順調で、年内にも正式に稼働すると発表されている。

(写真:蘇建勛)

マー氏 「AIは今後100年の間にどのように発展していくと思うか」

マスク氏 「ロボットは人よりずっと賢いと思う。AI研究者の最大の間違いはロボットが人間ほど賢くないと思っている点だ。実際にはロボットは人間よりずっと賢い。」

マー氏 「未来を予測するのは難しい。人類の予測の99%は外れるが、それでも我々はなお未来に向かって努力しなければならない。私は当社の人工知能の発展を嬉しく思っている。AIがあることで人類の本質をよりよく理解できるからだ。しかし我々はもっと自分に自信を持つべきだ。私は楽観主義者であり、AIを脅威だとは考えていない。人類はとても賢い生き物だと思う」

マスク氏 「私は楽観主義者でも悲観主義者でもないが、将来的なテクノロジーの進化のスピードの変化は極めて速く、我々の理解できる範囲を超える日が来るだろうと考えている」

マー氏 「火星に移住すると聞いたが。私は地球に対する関心の方が強い。どうして火星なのか」

マスク氏 「私も地球を支持しているが、我々の認知の枠を広げ、複数の惑星での生活を実現させたいと考えている。より多くのリソースを投入して地球の発展について研究する必要があるが、そのリソースのうち1%を未来に投資し、他の星での生活を考えるのだ。例えばテスラはバッテリーや太陽光発電でサスティナビリティ(持続可能性)の問題と向き合っている」

「上海に来ることができて嬉しく思う。テスラの中国チームは素晴らしく、大きな進歩を遂げている。世界中が中国の発展を目にしている。私は皆に敬意を表したい。中国こそが未来そのものであり、中国のロケット関連のベンチャー企業も素晴らしい。軌道に乗せるのは難しいことだが、多くの中国企業が実現させている」

マー氏 「AI関連の職業につきたい若者に何かアドバイスはあるか」

マスク氏 「できるだけ多くのことを学び、未来を予測し、未来を創造することだ。そして自分の学んでいるものによって未来を予測できるか考えてほしい。ミスは避けられないが、その割合を減らす必要はある。未来を予測することは難しいが、まず試してみるべきだ」

マー氏 「チャレンジは確かに重要だ。失敗は人類の最良の資産である。AIがもたらす災難について心配するとき、重要なのは人類がミスを改善できると信じることだ。中国では毎年1800万人の新生児が誕生しているが、まだ十分とはいえない。最良の資源は石炭や石油などではなく、人類なのだ。人類がロボットに支配されることはありえないと考える。なぜならロボットは人間が発明したものだからだ。人間は自分より賢い生き物を創り出すことができないという科学的根拠もある」

マスク氏 「私は全く同意できない。我々は自分より賢いものを創り出すことができるだろう」

マー氏 「その具体例を一つ挙げてほしい」

マスク氏 「コンピューターはすでに人間よりも賢い。囲碁がそうだ。『AlphaGo』が人間のチャンピオンに勝利している。将来的には、人類は各方面でコンピューターに負けてしまうだろう」

マー氏 「コンピューターは『賢い(intelligence)』が、人間には『知恵(smart)』がある。賢さとは学術や知識を指すが、知恵は経験から身につくものだ。人類はコンピューターを発明したが、コンピューターは人間を発明していない。囲碁に関していえば、コンピューターと勝負するのは愚かなことだ。囲碁は人間同士で打つものだ。どうして人類とコンピューターが囲碁で勝負しなければならないのか。私はコンピューターとは囲碁を打たないが、二台のコンピューターが囲碁で勝負するのを見るのは好きだ」

マスク氏 「人間はコンピューターに比べてどの面で優れているのか」

マー氏 「コンピューターは人間が作り出したツールの一つにすぎない。確かに賢いが、人類はより多くのツールを作り出すことができる。AIは『秩序』『ロジック』のあるシーンで初めて活躍できる。この前提がない場面では人間が必要とされる。例えば、誰かを愛するのに理由は無いが、誰かを憎むのにはロジックがあるように」

マスク氏 「AIは中国語の『愛』という言葉に通じている」

マー氏 「その通りだ。以前、成功するにはEQ(心の知能指数)やIQが必要だったが、将来生き残るためにはAIが必要になるだろう」

マー氏 「AIは環境の持続的発展をサポートできるか」

マスク氏 「環境の発展をサポートするのは容易ではない。実現可能ではあるが、多くのアクションを必要とする。この面において中国は世界のリーダーである。世界中の電気自動車の半分は中国で製造されている」

マー氏 「私はAIはサスティナビリティを実現できると考えている。人類はAIを利用することで自身を理解し、健全な地球を守ることができる。技術は夢から生まれるものだと思う。私はこの世界をよりよいものにしたい。地球人がより良く、より健康に生きられるようにしたいのだ。私はテスラの製品に愛着を抱いており、テスラが中国に工場を建設し、地球を守るためにより多くのアクションを取ることを嬉しく思う。我々はもっと自分たちを、人類を、若者を信じ、責任ある態度を取るべきだ」
(翻訳・山口幸子)

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