アリババが展開する次世代スーパー「盒馬mini」 地方進出を加速

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アリババ系スーパー盒馬mini 地方進出を加速

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アリババが展開する次世代スーパーの「盒馬(Fresh Hippo)」が地方市場進出の戦略を探る。

上海郊外では、盒馬の小型スーパー「盒馬mini(Hema mini)」の3店舗目がオープンした。店舗面積は約1000平米で、これまでオープンした2店舗の2倍だ。SKU(在庫保管単位:Stock Keeping Unit)がより豊富になり、4000を超えた。そのうち、生鮮食品の割合が約70%で、主にばら売りの野菜、自社生産のパッキング済み野菜で、現場調理の食料品や海産物売り場も併設される。規格品の棚は4〜5つしななく、主に菓子類や米、小麦粉、食用油等を販売する。

店舗は上海郊外にあり、盒馬miniの上海中心部から最も遠い店舗だ。盒馬のCEO侯毅氏が好む「人口密度が中心部より大幅に低く、住宅の平米単価が2万~5万元(約30万~75万円)で、価格に敏感な人たちが住んでいる地域」だという

盒馬miniは以前、上海「新天地」等の下町部で2店舗を出店している。ただし、前述の目標地域と違い、下町とはいえ、「新天地」はトレンドの発信地だ。顧客が非常に多く、消費力も強いため、まもなく黒字化が実現された。よって、盒馬は戦略通りの場所を探し続け、最終的に郊外に目を向けたのだ。

盒馬miniが目指している地方市場の進出はスタートしたばかりだ。今年末までに、盒馬miniは3~4回モデルチェンジする予定で、最良の商品構造とコスト構造を探るのだという。来年の春節(1月末)以降に、全国で大規模な展開を行う予定だ。

盒马miniの地方市場進出が加速

今年に入ってから、盒馬は新業態を次々と発表している。日々の食卓向けの「盒馬菜市(Hema Caishi)」、盒马mini、「盒馬小站(Hema Xiaozhan)」もあれば、オフィスビルでの食事向けの「盒马F2(Hema Fast&Fresh)」、「Pick’n Go」もある。今後は、ショッピングモールでの出店も目指し、深圳では週末のパーティー向けの「盒马里(Hema Li)」を出店する予定だという。

新業態が多いものの、大規模な拡張を計画しているのは盒馬miniだけだ。盒马miniの店舗責任者・夏昱氏によると、今後は3級、4級都市のコミュニティ、5級、6級都市の中心部が皆盒馬miniのターゲットになるという。

青果市場や大型スーパーと比べ、盒馬miniは面積が狭いため、場所選びの選択肢が豊富だ。出店コストも大型店舗の1/10以下の約200万元(約3000万円)に抑えられる。

盒馬miniは店舗倉庫一体で、面積は狭いが、店舗付近で倉庫を構えることより、在庫とロスが低くおさえられる。盒馬側によると、盒馬miniは黒字化を実現しているという。

盒馬の店舗体系(36Kr作成)

地方市場進出が最善策だと確定した後、最初の課題は地方市場への進出方法だった。盒馬miniはまず上海郊外を選び、住宅地から1.5キロ以内の場所に出店した。この距離に決めたのは効率的な配達のためであり、かつコミュニティへの高い浸透率およびより高い消費頻度が期待できる。

商品の種類を変える必要もある。面積と立地による制限があるため、SKUが大型店舗より大幅に減少し、また、客層は中高年がメインとなる。盒馬miniはSKUの選定を工夫し、中高年にとって魅力的な品揃えにする必要がある。目玉商品として、安価なばら売りの野菜と海産物が選ばれている。

ばら売り野菜が盒马miniの最も目立つ場所に置かれている。売り場面積も最も広い。

盒馬miniが生き残る方法

盒馬miniは緻密な計画を立てているが、競合他社は一足先に郊外市場に進出している。

例えば、盒馬miniの店舗近くに、「卜蜂蓮花(Lotus Supercenter)」、「永輝mini(Yonghui Mini)」等の同様な業態の店があり、また、既に地元に根差した青果市場もある。差別化と消費者ロイヤルティの構築が盒馬miniが直面している2つ目の課題だ。

大型店舗と異なり、小型店舗はより精緻化した運営が必要で、品選びも重要だ。

必要な品揃えを確保した上で、盒馬miniは少量の輸入果物と季節外れの珍しい果物を陳列し、海産物の売り場や現場調理の食品の売り場面積を増やしている。

ばら売り野菜はロス率が高く、かつ粗利率が低いため、盒馬miniでは盒馬の大型店舗のプライベートブランド商品も販売し、オンラインショップでパッキング済み食品を好む購買力が高い若年層を掴もうとしている。現在、盒馬miniのオンラインとオフラインの注文割合は約4:6だ。

しかし、依然として価格が消費者にとっての最重要要素で、特に価格に敏感な中高年顧客はその傾向にある。中高年客層の集客のためには、やはり安いばら売り野菜が目玉となる。

小型店舗が直面するもう一つの共通課題は黒字化だ。大規模な展開には家賃、人件費、サプライチェーン等の高いコストがかかる。

この課題を解決するために、今後盒馬miniはフランチャイズ化する可能性もある。迅速な規模拡大と同時に、出店コストを抑えるためだ。

また、激しい競争の中で、安定的に顧客を確保することも課題の一つだ。集客のコストが増加し続けるなか、盒馬はアリババグループの他のプラットフォームの協力による集客が可能となる。

地方進出の方法、差別化の方法、黒字化の方法等について、盒馬miniは解決策を出している。しかし、地方進出は難しく時間もかかるため、生き残るためには絶えずビジネスモデルを革新し、運営効率を向上し続ける必要がある。
(翻訳:小六)

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