ジャック・マーに代わりアリババ新会長となったダニエル・チャンの就任初日

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

大企業編集部お勧め記事注目記事

ジャック・マーに代わりアリババ新会長となったダニエル・チャンの就任初日

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

アリババグループ20周年記念イベントの夜、ジャック・マー(馬雲)氏と一緒に名曲「You raise me up」を披露した翌9月12日、ダニエル・チャン(張勇)氏がアリババの会長に就任した。その初日の様子を紹介する。

9:30-10:30 杭州市政府と新戦略提携を締結
場所:アリババ本部 西渓園区

浙江省杭州市共産党委員会書記の周江勇氏とダニエル・チャン氏は、それぞれ杭州市政府とアリババグループを代表して、新たな戦略提携協定に署名した。

アリババは20年前にジャック・マーのアパートから始まり、その後世界を代表する電子商取引企業と成長した。本社を杭州市に置く同社は、杭州の代名詞の一つとなっている。

アリババは杭州でたくさんのデジタルイノベーションを起こした。例えば杭州市民は病院に通う場合、アントフィナンシャル(アリババグループの金融子会社)が運営する決済サービスの「アリペイ(支付宝)」の顔認証によって、診察の予約から決済まで完了する。それから観光地においても、観光シーズンであろうとQRコードをスキャンするだけで20秒で入場できる。またホテルのチェックインも顔認証を使って30秒でできるようになった。さらに、救急車サービスも非常に便利になった。病院の配車情報と交通情報を上手く連携させることで信号が救急車の運行に合わせて変えられる。

今回の協定では、アリババは今後杭州の中小企業にデジタル変革を促すとしている。

14:30-15:30 カザフスタン大統領が訪問
場所:アリババ本部 西渓園区

この日の2番目の客はカザフスタンのトカエフ大統領だ。中国で短期留学をし、少し前に中国CCTVのニュース番組では中国語でインタビューを受けたトカエフ大統領は、中国のインターネット業界に非常に関心を示した。会社の歴史を説明するフルタイムのスタッフに代わって、ダニエル・チャンが自らマイクを取り、説明しながら大統領の質問に回答した。

11:30-14:00 社内MTG
15:30-18:30 社内MTG
場所:アリババ本部 西渓園区

9月はアリババの大規模イベントが1年で最も集中している。月初から月末まで、若手クリエイターのモノ創り精神を刺激する淘宝造物祭(Taobao Maker Festival)、アリババ投資家大会、アリババ先端テクノロジー技術の祭典である雲栖大会(The Computing Conference)、9月9日から1週間天猫(Tmaill)で開催される「99スーパセール」が、次々と開催される。

9月から多忙な毎日を対応できるように、意図的に8月で休暇を取るアリババの社員が少なくはない。会長でありながら、ダニエル・チャン氏もこの高速回転のビジネスの重要かつ日常に巻き込まえる。

21:30-23:00 淘宝造物祭イベント会場準備
地点:西湖断橋

夜9時30分、ダニエル・チャン氏は本部西渓園区から15キロ離れた杭州の名所旧跡、西湖断橋に到着した。ここでは、淘宝造物祭を盛り上げるための開会式とショーが行われる。ダニエル・チャン氏は、このイベントを「双11」と匹敵する次の「スーパーIP」として創り出そうとしている。

※「双11」とは、アリババが11月11日の「独身の日」に行う大販促イベント。2008年の第1回目の開催からすでに10年が経ち、去年の1日での取扱高は2135億元(約3兆2000万円)。世界最大級の取引規模のオンラインショッピングイベントに成長した。このスーパーイベントを仕掛けたのは異才のダニエル・チャン氏であった。

昨年のこの時期、ジャック・マー氏は会長を辞任することを発表した。当時の彼はこう言った。「ダニエル・チャンに会長を引き継いでもらうように私が2年間を渡って説得し続けた。彼が承諾してくれた時、私は本当に感動した。アリババのCEOは非常に難しい仕事で、ビジネスのことだけでなく、他社には考えられないこともたくさんあるから、眠る時間がほぼない。彼には相応しい能力と責任がある。」

9月12日夜11時45分、ダニエル・チャン氏は上海の実家に帰り、家族と中秋節を祝う。アリババに入社した2007年以来、こうした生活はもう12年間も続いている。

(翻訳:Ai)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録