自動運転車の商用化が加速する中国 バイドゥなどに世界初の商用ライセンスを交付

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中国の武漢市で先月22日、「国家コネクテッドカー試験モデル区」が正式にオープンし、バイドゥ(百度)、「海梁科技(Haylion Technologies)」、「深蘭科技(DeepBlue Technology)」の3社が世界初の自動運転商用ライセンスを取得したと地方紙「長江日報」が報じた。これにより、同市の公道で乗客を乗せた走行試験や実際の商用運行サービスの実施が可能となる。

自動運転車の商用運行は主に、自動運転能力を備えた自家用車および公共サービスに使用されるロボタクシーという二つの方向性で進められている。現時点では後者がより実現しやすいため、テック企業、モビリティサービス事業者、自動車メーカー各社が注力している。

中国の各都市はこれまで、自動運転に対しては一貫して慎重だったが、各企業の技術の成熟や優れた路上試験の結果を受け、政策面での緩和の兆しが見え始めた。公道での走行試験から乗客を乗せた走行試験、さらには商用化へとウェイトが移りつつある。

つい先頃、上海でもコネクテッドカーモデルの実用化ライセンスが公布された。ライセンスを取得した企業は公道での乗客を乗せた走行の実施が可能となったが、有料での営業はできず、商用化に関する企業の実証実験を許可するものとなっている。

同様にアメリカでは今年7月、グーグル系自動運転開発企業「ウェイモ(Waymo)」が、自動運転車による配車サービスの試験的実施に関する認可をCPUC(カリフォルニア州公益事業委員会)から取得した。だがウェイモも料金の徴収はできないほか、安全補助員の乗車が義務づけられている。

自動運転に関する政策的な意思表明は、自動運転の研究開発に携わる企業にとって間違いなく良いニュースだ。

自動運転の商用化に関する政策は各国でまちまちだが、各社が自動運転車車両を事前に配備する上での妨げとはなっていない。米配車サービス大手のLyftやウェイモなどの企業が、台数は50台と微々たるものだがロボタクシー車両の配備を進めているという。

中国国内でも、複数の企業が商用化に向けた手配を急ピッチで進めている。例えば上海市のライセンスを取得したライドシェア大手「滴滴出行(Didi Chuxing)」は、来年初めに自動運転車によるモビリティサービスの開始を予定しているほか、バイドゥも湖南省長沙市にロボタクシー「Apollo Robotaxi」を45台導入し試験サービスを開始しており、今年中に一般客の利用が全面解禁される予定だ。

とはいえ、自動運転の大規模な商用化はまだ先の話になるだろう。通信機能、道路システム、法令との連携を果たすためには、完成車メーカー、テック企業、通信会社、政府、部品メーカーなどの相互協力が欠かせない。現時点では、最も基礎的かつ核心的な安全に関する課題も十分に解決されていない状況だ。
(翻訳・神部明果)

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