指輪で日々の健康管理、話題の中国スマートリング「RingConn」にテマセクが出資

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指輪型ウェアラブルデバイスを提供する中国スタートアップ企業の「玖治科技(Ninenovo Technology)」がこのほど、エンジェルラウンドで数千万元(数億円超)を調達した。シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングス傘下の祥峰投資(Vertex Ventures) が出資を主導。清波基金(Freshwave Capital)、 香港科技大学の元教授で半導体分野の投資家として知られる高秉強氏と同氏の投資会社Brizan Venturesのほか、既存株主の西湖大学産業投資基金も参加した。調達した資金を用い、市場開拓や技術開発、生産強化、米食品医薬品局(FDA)の認証取得などに注力する方針だという。

玖治科技は2021年7月、上海交通大学の教授で中国政府がトップクラスの学者に授与する「長江学者」の称号を持つ王国興氏が、人工知能(AI)分野の学際的人材と共に設立した。広東省の深圳市と中山市に研究開発センターを構え、バイオシグナル(生体信号)の収集システムやバイオセンサー、アルゴリズムなどの中核技術で独自の知的財産権を保有している。

22年末に発表した指輪型ウェアラブルデバイス(スマートリング)「RingConn」は、海外のクラウドファンディングサイトを通じて50日間で累計120万ドル(約1億7600万円)を集めた。予定どおり、すでに1万個の発送が完了している。玖智科技によると、ユーザーは30〜50歳が中心で、日常的に健康データを測定し、健康管理に役立てたいと考える人々だという。

指輪型ウェアラブルデバイス「RingConn」

RingConnは軽いチタン製で防水機能を備えており、1週間連続使用できるバッテリーを内蔵している。玖治科技は、その中核技術である光電式容積脈波記録法(PPG)を活用し、RingConnに脈波や温度、加速度などを計測する各種センサーを搭載。生理指標(心拍数、血中酸素飽和度、体温)、睡眠の指標(睡眠状態、眠りの深さ、睡眠の質)、運動指標(歩数、運動強度、消費カロリー)、心理的ストレスなどのモニタリングを可能にした。ユーザーは専用アプリを通じ、各種指標の分析結果を確認できる。

「RingConn」の機能

同社は中間流通業者を介さないD2Cブランド「RingConn」として、自社サイトで製品を販売している。創業者で会長の王国興氏は創業2周年に際し、今後も絶えず製品を改良し続け、総合的な競争力を高めていく考えを示した。すでに複数の医療機関と臨床面での協力体制を構築しており、将来的にはウェアラブルデバイスを睡眠科学やウーマンヘルスなどの分野にも活用していく方針だ。王氏は、第1号製品RingConnの発売に伴って研究開発からサプライチェーン、市場、総合管理システムに至るまでが完備し、すでにマーケティングや外部との協力、医療機器としての登録手続きを開始してると説明した。

今後、ウェアラブルデバイスや診療補助サービスに関するソリューションの先端的研究を続け、RingConnをアップデートしていく考えで、製品やアルゴリズムはFDAや中国国家薬品監督管理局(NMPA)の認証を申請する予定だという。

*23年12月4日のレート(1ドル=約147円)で計算しています。

(翻訳・田村広子)

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