中国スタバ、857県に出店 地方都市への展開を加速

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中国の大都市で市民の日常的な飲み物となったコーヒーは今、県城(県中心市街地)に浸透しつつあり、中国の消費の成長性がどれほど大きいかを垣間見る絶好の窓口となっている。
 
米コーヒーチェーン大手スターバックスの決算によると、同社は中国の3千近い県級行政区(県・県級市)のうち、857の県級行政区に進出している。ラクスマン・ナラシムハン最高経営責任者(CEO)は「私たちが県級市場に新設した店舗は好調で、わが社は現在、地方市場への歩みを加速させており、さらに多くの県城に出店する予定だ」と語った。
 
関係機関のリポートによると、コーヒー大手各社が2023年までに、県級行政区や郷級行政区(郷・鎮)、農村から成る県域市場に開業したコーヒー店の数は5454店に上り、うち23年の新設店舗数は3700店だった。県域市場の1人当たり消費額の伸びは大都市を上回り、各級市場の中で最も高かった。

中国食品産業アナリストの朱丹蓬氏は、ここ数年に見られる大都市から戻って来る人の流れが県域のコーヒー市場の成長を加速させていると分析する。コーヒー店は県域市場の消費者にとって、新たなレジャーや社会的交流の場にもなっているとした。「どの地方にも、新しいことに挑戦したり体験しようとする人がおり、そういった人が現地の消費トレンドの形成をリードすることが多い」と述べた。
 
中国経済の持続的な成長を背景に、都市化がますます進行し、県域市場と大都市間の消費の境界もいっそう曖昧になっている。ソーシャルメディアの発展加速により、さらに多くの新しい物事、理念、傾向が最初の段階から、地域や人に関係なく広がりを見せている。
 
消費研究に特化する投資機関、黒蟻資本(BA Capital)はリポートで、県域に暮らす消費者の所得水準は大都市の住民に及ばなくとも、消費支出は可処分所得のかなりの割合を占める可能性があると指摘する。
 
電子商取引(EC)プラットフォームのデータによると、チリ産チェリー、タイ産ドリアン、ベトナム産ジャックフルーツなどの輸入果物の販売の伸びが最も高い地域は、賃金の高い大都市ではなく、小都市だ。下着用洗濯機、ビルトインタイプのスチームオーブンレンジ、スマートシャワー、スマート衣類乾燥機など、多くの消費高度化に関連する家電製品が県域市場に進出している。
 
米コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーはリポートで、中国の個人消費額が30年までに65兆3千億元(1元=約21円)に達し、66%を上回る伸びを地方市場が占めるとの見通しを示した。(新華社北京)

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