中国新興EV販売、全体的に回復傾向  ファーウェイ支援の「AITO」が3カ月連続1位:24年3月

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中国新興EV販売、全体的に回復傾向  ファーウェイ支援の「AITO」が3カ月連続1位:24年3月

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中国の主な新興電気自動車(EV)メーカーが、2024年3月の新車販売台数(納車台数)を発表した。需要が落ち込んだ2月から一転、3月は各社とも販売台数を大きく伸ばした。

上位2位は前月と変わらず、華為技術(ファーウェイ)が打ち出すEVブランド「問界(AITO)」が3万台超で1位、理想汽車(Li Auto)が3万台近くで2位となった。零跑汽車(Leap Motor)は順位を2つ上げて3位、 極氪(ZEEKR)は4位で変わらず、蔚来汽車(NIO)は5位に転落した。

中国新興EV販売台数、全体的に振るわず 価格競争がさらに激化へ:24年2月

以下に、24年2月の主要新興EVメーカーの販売台数ランキングをまとめた。

1位:AITO

自動車中堅の賽力斯集団(SERES)と華為技術(ファーウェイ)が共同運営するEVブランド「問界(AITO)」の3月の販売台数は、前月比50.0%増の3万1727台となり、3カ月連続の1位に輝いた。

車種別では、主力のスポーツ用多目的車(SUV)「M7」が2万4598台で新興EVメーカーの車種別ランキング1位、2月末に納車が始まった高級SUV「M9」は6243台で新興EVメーカーの50万元(約1000万円)以上の車種別ランキングで1位となった。

同社は今月、M7のエントリーモデル「M7 Plus」の価格を2万元(約40万円)引き下げ、さらなる販売台数アップを狙う。

2位:理想汽車

理想汽車(Li Auto)の3月の販売台数は、前年同月比39.2%増、前月比43.1%増の2万8984台だった。同社は設立からこれまでの累計販売台数が、新興EVメーカーで初めて70万台を突破した。

3月には、同社初のピュアEVで高級多目的車(MPV)の「MEGA」を発売したが、売れ行きが想定を下回ったとみられる。3月末には、24年通年の販売台数予想を従来の80万台から56〜64万台に下方修正している。

3位:零跑汽車

零跑汽車(Leap Motor)の3月の販売台数は、前年同月比136.0%増、前月比121.9%増の1万4567台だった。

3月初めに開催した新車種発表会が、月間販売台数の大幅増につながった。なかでも、新車種「C10」は12万8800元(約270万円)からと手頃な価格ながら、同クラスの車種で最高のスマートドライビングが体験できるとあって、若者の心をつかんだとみられる。

4位: ZEEKR

吉利汽車(Geely Automobile)傘下の高級EVブランド「極氪(ZEEKR)」の3月の販売台数は、前年同月比95.0%増、前月比73.3%増の1万3012台だった。

2月末に発表した新型「001」が、初月となる3月の受注台数3万台を突破しており、4月の販売台数増加が期待される。

5位: NIO

蔚来汽車(NIO)3月の販売台数は、前年同月比14.3%増、前月比45.9%増1万1866台だった。

NIOは、新車を購入する際にバッテリーをリース形式とする「BaaS」を 選択したユーザーを対象に車両価格を割り引くサービスのほか、ガソリン車から24年モデルの車種に買い換えた場合の優遇策などを打ち出し、販売台数の増加につなげる方針だという。

その他:

小鵬汽車(XPeng Motors)と哪吒汽車(NETA)は伸び悩み、いずれも3月の販売台数が1万台を割り込んだ。

中国のEV市場はすでに過当競争に陥っており、新興EVメーカー各社は価格引き下げや優遇策などでしのぎを削っている。そんななか、3月末にはスマートフォン大手の小米集団(シャオミ)が初のEV「SU7」を発売。4月2日時点の受注台数は4万台となった。激化する価格競争と新たなメーカーの参入で、4月以降の新興EVメーカー販売台数ランキングが大きく変わる可能性もある。

中国シャオミ初のEV「SU7」、4万台超受注で生産急ピッチ 24年納車は6万〜8万台予想

*2024年4月8日のレート(1元=約21円)で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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