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中国のペロブスカイト太陽電池(PSC)メーカー「脈絡能源(Mellow Energy)」がこのほど、プレシリーズAで資金を調達した。調達額は非公開。出資は華金資本(Huajin Capital)が主導し、招商啓航(China Merchants Startup)と涌鏵投資(Yonghua Capital)も参加した。資金は主に年産100メガワット(MW)のペロブスカイト太陽電池モジュール量産ラインの建設に充てられるという。
脈絡能源は暨南大学新エネルギー技術研究院院長の麦耀華氏が率いるチームによって2022年8月に設立され、ペロブスカイト太陽電池モジュールの研究開発や生産を手がけている。これまでにモジュールの最高変換効率を5回塗り替えた。同年11月にはエンジェルラウンドで数千万の資金調達を実施した。
ペロブスカイト太陽電池は第3世代の太陽電池と見なされている。従来のシリコン系太陽電池は理論上、変換効率29.4%が限界だと言われているが、単接合型ペロブスカイト太陽電池の変換効率は最大33%に達し、多接合(タンデム)型は50%を超えるという。シリコン系太陽電池の変換効率が理論上の限界に近づく中、ペロブスカイト太陽電池が今後の主流になると見られている。
また、製造コストが低く変換効率が高いペロブスカイト太陽電池は、太陽光発電コストの削減とカーボンニュートラル達成において大きな役割を担っている。中国太陽光発電産業協会(CPIA)は、2030年までに中国のペロブスカイト太陽電池の普及率が30%に達するとの予測を示した。
脈絡能源は2023年2月にペロブスカイト太陽電池モジュールのパイロットラインを建設し、30センチ角という大きなサイズの太陽電池モジュールを作った。同モジュールがその年の12月に達成した変換効率22.86%は現時点で世界最高とされている。
これまでに同社はペロブスカイトに関する100本以上の論文を発表し、ペロブスカイト太陽電池の関連特許16件を保有している。創業者でチーフサイエンティストの麦氏によると、変換効率の高いペロブスカイト太陽電池の生産においては大面積の均一成膜と欠陥の不動態化という2つの技術が鍵を握っており、同社はこの点で独自の技術的な優位性を確立したという。
今年4月に広東省珠海市で着工した年産100MWの生産ラインは、年内に操業を開始する見通しだ。また、多接合型電池のパイロットライン建設も目指している。麦氏は、技術的な優位性を保ちながら生産能力を拡大し、ペロブスカイト太陽電池の技術革新と量産を進めることでカーボンニュートラル実現に貢献する考えを示した。
(翻訳・大谷晶洋)
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