アップルが時価総額トップへ返り咲く サービス事業も売上の柱に

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ソフトウエアとハードウエアの販売がどちらも好調なアップルは今年、株式市場の見方を覆し時価総額を1兆ドル(約110兆円)に回復させた。時価総額はマイクロソフトを逆転し、世界トップに返り咲いている。

アップルの株価は、10月11日の終値が2.7%高の236.21ドル(約2万6000円)と上場来高値を更新し、時価総額は世界最高となった。時価総額が1兆ドルを上回るのは、現時点でマイクロソフトとアップルの2社のみだ。

今年に入り、アップルの時価総額はすでに51.66%上がり、株価は1月に付けた年初来安値から6割上昇。サービス事業へのシフトが好感された上、新型デバイスの販売台数が想定を上回ったことも株価を押し上げる材料となった。

アップルのサービス事業売上比率(年度) 資料提供:Bloomberg、CICC研究部

アップルは今年に入ってからサービス事業へのシフトを大きく進めており、ニュース配信の「Apple News」やクレジットカードの「Apple Card」、ゲーム配信の「Apple Arcade」、オリジナル動画配信の「Apple TV+」といったサブスクリプションサービスを開始した。サービス事業の売上高は過去最高を更新し、2019年度第3四半期(2019年4~6月期)の売上高が全体に占める割合は19%の高水準に達した。

2019年末までに、世界で稼働するiPhoneは9億台に達し、アップル製品のアクティブ端末は合計14億台に上る見込み。アップルユーザーの高いロイヤリティがサービスの収益化における大きな強みとなっている。

同社は9月に開催された製品発表会で、同月下旬にApp StoreでApple Arcadeをリリースするほか、Apple TV+のオリジナル動画を11月1日から配信すると発表。100カ国余りでサービスを提供し、市場の拡大余地は大きいとの見通しを示した。いずれも月額4.99ドル(日本では600円)に設定され、手頃な料金が消費を呼び込むと期待されている。

Apple Arcadeでは100本以上のゲームタイトルが独占配信され、広告も追加課金もなく、複数のデバイスと同期できる上にオフラインでも使用できる。またApple TV+は、全てのアップル製デバイスとほぼ全てのスマートテレビに対応し、リリースは遅かったが、主要なサブスクリプションサービスを大幅に下回る月額料金に設定されている。低料金とデバイス購入サービス(iPhone、iPad、iPod touch、Mac、Apple TVの新モデル購入でApple TV+の1年間無料視聴サービスを付与)によって急速にユーザーを獲得するとみられる。

Apple TV+と主な動画配信サービスの料金比較(月額) 資料提供:Apple公式サイト、CICC研究部

また、「iPhone 11」シリーズの販売台数も想定を上回っている。新機種にはそれほど大きなアップグレードがなく、カメラレンズのデザインに対する不満の声も聞かれるが、「iPhone 11 Pro」、「iPhone 11 Pro Max」の新色ミッドナイトグリーンやiPhone 11のグリーンとパープルの人気は非常に高い。販売価格も据え置き、かつ旧機種(iPhone 11)も50ドル(約5400円)値下げされたことで、新興市場の購入マインドを高めた。アップルに詳しいアナリストの郭明錤氏はiPhone 11シリーズについて、2019年の予想出荷台数を従来の6500~7000万台から7000~7500万台に引き上げている。

投資銀行の中金公司(CICC)は、5G時代の到来がアップルのプロダクト事業の増収を再び後押しし、今後はソフトウエアとハードウエアの双方が柱になるとの見方を示している。
(翻訳・神戸三四郎)

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