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中国ではここ数年、ポッドキャスト、オーディオブックをはじめとする耳で聴くことに伴う経済活動「耳経済」が急成長している。企業情報サイト「天眼査」によると、国内の「音声経済」関連企業数は4万社を超え、うち約1万3600社は2019年以降に登録された。市場調査会社の艾瑞諮詢集団(アイリサーチ)は「2023年中国オンライン音声産業研究報告」で、音声プラットフォームのコンテンツ数が顕著に増加し、23年は16年の135倍、20年の9倍になったと指摘。26年には国内の音声サービスユーザー数が3億5千万人を突破すると予想した。
ポッドキャスト「深夜談談播客網絡(Midnight Network)」が提供する番組は十数番組に上り、看板番組「大内密談」の固定リスナーは17年に1話当たり100万人前後だったのに対し、今では400万人以上に増加した。何丹陽最高経営責任者(CEO)は「ポッドキャスト産業がここ2年、急速に成長している根本的な要因はハードウエアと技術の進歩、コンテンツの多彩化だ」と説明。さらに、「ワイヤレスイヤホンの普及は音声ですきま時間を埋めることに対するハードルを引き下げ、一時停止位置からの再生再開などの実用的な機能の普及はポッドキャストの体験と新規ユーザー獲得の効率性を大幅に高めた。ポッドキャスト市場もコンテンツの多様化が進み、より多くのリスナーが自分の興味に合った番組を見つけることができるようになった」と付け加えた。
耳で本を聴くというデジタル化された読書方式も台頭している。音声コンテンツプラットフォーム「喜馬拉雅(シマラヤ)」が4月に発表した「2024春季音声閲読データ報告」によると、同プラットフォームでは24年第1四半期(1~3月)の1人当たりのオーディオブック利用数は9.7冊に上り、前年同期の8.8冊を上回った。
コンテンツの多彩化と新技術の援護を受けて、「耳消費」に意欲的なユーザーも増えつつある。業界団体の中国オーディオビジュアル・デジタル出版協会が今年4月に発表した「中国デジタル閲読報告」によると、音声プラットフォームユーザーの74.1%に有料のサブスクリプションサービス利用経験があり、35.4%が有料会員で、支払額は年平均1人当たり174.3元(1元=約22円)だった。
コンサルティング会社の灼識投資諮詢(CIC)は、中国のオンライン音声市場の売上高は18年の40億元から23年には250億元に拡大したとし、28年はさらに510億元に増加すると見通しを示した。
関連政策の発表も「耳経済」に力を与えている。昨年12月15日には工業情報化部など7部門が「視聴電子産業の質の高い発展の推進加速に関する指導意見」を発表し、技術イノベーションと産業基盤固めに力を入れ、視聴関連電子産業の質の高い発展を促すと強調した。
(新華社北京)
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