ファーウェイの自動車事業、24年上半期の売上高が2200億円突破か 分離独立へ準備着々

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中国通信機器大手ファーウェイ(華為技術)が展開する自動車関連事業「スマートカーソリューション・ビジネスユニット(以下、スマートカーBU)」について、2024年の売上高が7月初頭時点で100億元(約2200億円)を突破したことが36Krの取材で分かった。

ファーウェイの決算によると、スマートカーBUの年間売上高は2022年が21億元(約460億円)、23年が47億元(約1000億円)となっており、今年はわずか半年ほどで過去2年分の売上高を軽く超えたことになる。

これまでファーウェイが自動車事業のために投じた資金は2023年時点で300億元(約6500億円)に達したが、23年に約60億元(約1300億円)の赤字を計上している。しかし、24年1~3月期にはようやく黒字転換を果たした。

ファーウェイがスマートカーBUを設立したのは2019年5月。自社開発のOS「HarmonyOS」を搭載したスマートコックピットや自動運転技術など、スマートカー向けのソリューションを自動車メーカーに提供している。今年の大幅な増収をもたらしたのは、大口顧客である中堅自動車メーカー「賽力斯(セレス)」だ。ファーウェイがセレスと共同運営するEVブランド「問界(AITO)」は、24年上半期の納車台数が約19万台に上るなど好調で、ファーウェイの業績に大きく貢献している。売上高で言えば、大部分のティア1サプライヤーを上回っている。

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現在、中国の完成車メーカーは価格競争に陥っており、さらなるコスト削減のため、ほぼ全てのティア1サプライヤーも利益率の低下を強いられている。世界に数十社の顧客を持つカーエレクトロニクス製品メーカー「徳賽西威(Desay SV Automotive)」でさえ、ようやく2023年に初の200億元(約4300億円)突破にこぎ着けたほど。自動運転向けAIチップを開発する地平線機器人(Horizon Robotics)は、23年の年間売上高が15億5000万元(約340億円)と、同時期のファーウェイの3分の1にとどまっている。

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厳しい業界環境の中でも、スマートカーBUが業績を伸ばしていることは、すでに自立できるだけの力があることを証明している。自動車大手の長安汽車(Changan Automobile)は少し前に、ファーウェイがスマートカーBUを今年9月までに分離して、長安汽車と共に新会社を設立すると発表した。半年の売上高が2200億円なら、今後の分離独立に向けた資金面のプレッシャーもいくらか軽くなるだろう。しかもファーウェイは、長安汽車以外の自動車メーカーも株主として積極的に受け入れる姿勢を示しており、すでに東風汽車(Dongfeng Motor)や広州汽車(GAC)が出資の意向を示しているという。

また、ファーウェイが開発や販売に関わる「華為智選(ファーウェイスマートセレクション)」のブランドでも新車種の投入を予定している。今年下半期には、北京汽車(BAW)や奇瑞汽車(Chery)と共同開発した「享界S9」と「智界R7」の発表を計画しており、販売価格はそれぞれ40万元(約870万円)、30万元(約650万円)ほどになるという。

*1元=約22円で計算しています。

(翻訳・畠中裕子)

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