高度な運転支援システム、ドローンのDJIとファーウェイの二強時代に

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高度な運転支援システム、ドローンのDJIとファーウェイの二強時代に

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自動運転分野の二大巨頭といえば、ファーウェイのスマートカー事業部門と民生用ドローン世界最大手DJI(大疆創新科技)傘下の「DJI Automotive(大疆車載)」だ。両社は資金調達をめぐり激しく火花を散らしている。

業界関係者によると、DJI Automotiveには中国新エネルギー車(NEV)最大手のBYD(比亜迪)と中国自動車メーカー中国第一汽車集団(FAW Group)が出資の意向を示している。DJI Automotiveは海外に投資する投資機関から約100億元(約2000億円)の評価額がつけられた。

ファーウェイはスマートカー事業部門をスピンオフし、自由に資金調達ができるようにした。最初に出資したのは中国自動車メーカー長安汽車(Changan Automobile)だ。両社は合弁会社を設立し、ファーウェイスマートカー事業部門の自動運転、スマートコックピット、デジタルプラットフォーム、クラウドサービス、AR-HUDやスマートライトなどに関わる業務やリソース、人員すべてを新会社に移行するとした。ファーウェイは奇瑞汽車(Chery Automobile)や北京汽車集団(北汽集団)、ベンツ、アウディ、第一汽車などの自動車メーカーにも合弁会社への出資を求めている。

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違う路線で高度な運転支援を提供

自動運転技術分野における両社の影響力と市場評価は侮れない。目下、運転支援システムは自動車を購入するうえで重要な要素になっているが、ベーシックな運転支援システムはありふれている一方、高度な都市用「NOA(Navigation on ADAS、先進運転支援システムのためのナビゲーション機能)」を量産できるテック企業は極めて少ない。

ファーウェイがスマートカー事業部門を設立したのは2019年、その技術力とブランド影響力は業界でもトップクラスだ。2023年に電気自動車(EV)ブランド「問界」や、長安汽車傘下の「阿維塔(Avatr)」などの量産車に運転支援機能を提供している。

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ファーウェイは自動車メーカーとの協業形態を3種類に分けている。単純に部品を提供する「標準部品」モデル、スマート制御システムや部品を提供するが自動車の設計はメーカーが主導する「Huawei Inside(HI)」モデル、設計も含めたフルスタックのソリューションを提供する「華為智選(ファーウェイスマートセレクション)」モデルだ。

一方、DJI Automotiveはコストパフォーマンスで自動車メーカーを引きつけている。DJI AutomotiveはDJIが2019年に社内で立ち上げた車載事業部門で、2022年10月に「深圳市卓馭科技」として親会社からスピンオフした。

DJI Automotiveは次世代の自動運転ソリューション「成行プラットフォーム」をリリースした。デュアルビジョンを大きな特徴とするプラットフォームは、高価なLiDARに頼らずに路上の物体の詳細な情報を得ることができるため、システムのコストが大幅に下がった。DJI Automotiveは柔軟性と低コストを武器に、自動運転市場で大きな存在感を示している。今年の米CES(コンシューマ・エレクトロニクス・ショー)では都市用NOA機能を展示した。クアルコムのSnapdragon Ride(SA8650P)チップをベースにしたもので、LiDARを必要としない。DJI Automotiveは、同機能を近く提携先の車種向けに量産する考えを示している。

自動運転業界の歴史はそれなりに長いが、本当に量産能力を持つ企業は極めて少ない。業界関係者は、「激しい競争がこれほど長く続いているが、コストパフォーマンスの高いソリューションを大規模に提供できるのはファーウェイとDJI Automotiveしかない」と舌を巻く。

両社は共に業界内でもリソースを集めており、自動運転技術の普及と大規模化が進むのは間違いない。

自動運転技術、自動車メーカーがファーウェイとDJIを頼るそれぞれの理由。路線の違い鮮明に

*2024年2月16日のレート(1元=約21円)で計算しています。

(翻訳:36Kr Japan編集部)

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