人型ロボット、とうとう70万円台に突入。中国ベンチャー「ENGINEAI」が驚きの低価格で提供

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人工知能(AI)とロボット技術の波が押し寄せる中、人型ロボットは徐々に産業や家庭向けサービス分野で重要な役割を果たすようになってきている。8月に北京で開催された世界ロボット大会では、27体もの人型ロボットが披露された。 ロボット業界には続々と大量な資金投資も行われいる中国テックメディア・智東西の統計によると、2024年6月末までに、今年の中国国内のロボット業界では69の投資案件があり、開示されている投資案件のうち1億元(約20億円)規模のものが12件あり、投資総額は75億元(約1500億円)前後に達している。

このほど、汎用型ロボットメーカーの「衆擎機器人(ENGINEAI)」がエンジェルラウンドとエンジェル+ラウンドで1億元近くの資金調達を完了したと発表し、大きな注目を集めている。

エンジェルラウンドはセンスタイム(商湯科技、SenseTime)傘下のAIに特化した投資機関「国香資本(Sense Capital)」と政府系フォンドの合肥浜湖金投(Binhu Investment)が共同出資した。エンジェル+ラウンドでは弘輝基金(HLC)が主導し、浔商創投(Xunshang Venture Capital)と合肥浜湖金投も参加した。

ENGINEAIは2023年10月に設立され、創設者は新興EVメーカー・小鵬汽車(Xpeng)傘下のロボット企業「鵬行智能(Xpeng Robotics)」を立ち上げた趙同陽氏だ。 設立からわずか10カ月で、初の二足歩行ロボット製品「SA01」を発売し、3万8500元(約77万円)という販売価格で業界の底値を打ち破った。それまでは、業界最低価格は「宇樹科技(Unitree Robotics)」の「Unitree G」という人型ロボットで、9万9000元(約200万円)だった。3万8500元という価格設定は、ロボットの普及と応用に新たな可能性があるに違いない。

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人型ロボットの研究、開発と生産は、ハードウェア設計、ソフトウェア開発、データ収集、とアルゴリズムの最適化など、複雑なプロセスを伴うものだ。ハードウェアの面では、ENGINEAIは人型ロボットの中核部品である関節の設計と製造に重点を置いている。関節はロボットのコストの大半を占め、性能を決定する重要な要素でもある。関節の技術を独自に研究開発することで、コストを効果的に抑制することができる。

ソフトウェアとアルゴリズムの面では、同社はモーションキャプチャ設備を通じて、高精度な人体動作データを収集し、このデータをロボットの動作制御や学習に応用している。この種のデータ収集方法により、効率が向上するだけでなく、データの汎用性と拡張性も高まる

創設者の趙氏は、同社の中核的な競争力は、ロボット本体、動作制御、身体の知能アルゴリズムといった基盤技術はすべて独自開発したことにあると語った。同時に、「より社会への貢献と価値の創造を目指したい」と述べ、SA01をオープンソースでリリースすることを決定した。

商業利用に関しては、同社はすでに清華大学、北京大学、中国科学院など、さまざまな大学や研究機関と販売協力を結び、教育、研究、産業における人型ロボットの応用を推進している。

また、年内に数種類の等身大の人型ロボットを発売する予定だという。社内では「SEシリーズ」と「PMシリーズ」と呼ばれており、身長は165cmから180cmで、産業用および家庭用として活用でき、自動車、電池、半導体など幅広い産業分野をカバーしている。

(36Kr Japan編集部)

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