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Bloombergによると、インド最大のモバイル決済・ECプラットフォーム「Paytm(ペイティーエム)」は現在の評価額が約160億ドル(約1兆7400億円)に上るとされ、アリババグループの金融サービス会社「アント・フィナンシャル(螞蟻金服)」とソフトバンクグループから合計20億ドル(約2200億円)を調達する見通しだ。Paytmは株式と社債の発行を通じて半額ずつ資金を調達したいと考えており、交渉は最終段階に入っているが、契約条項が見直される可能性もあるという。
36Krの取材に対し、アント・フィナンシャルは明確な回答を避けた。
Paytmは、インドのノイダに本拠を置くモバイル決済・ECプラットフォームで「One97 Communications」が親会社となっている。
今回の出資者は新たな顔ぶれではない。企業情報サイト「天眼査」によると、アント・フィナンシャルは2015年にもPaytmにシリーズAとシリーズBで出資し、持株比率が累計40%に達している。この出資をきっかけに、Paytmはアリババグループのモバイル決済サービス「アリペイ(支付宝)」と技術提携を進めた。またソフトバンクグループの持株比率は20%で、今回の出資完了後も、アント・フィナンシャルとソフトバンクグループは引き続きPaytmにとって最大の出資者となる。Paytmの株主には、このほか越境ECの米「eBay(イーベイ)」や著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社も名を連ねる。
公表データによると、インドのインターネットユーザー数は中国に次ぐ世界第2位で、2018年9月時点で5億6000万人に上り、投資家がPaytmを有望視する大きな要因の一つとなっている。
また、2016年11月にインド政府が「高額紙幣廃止」を発表し、インド国民が銀行へ現金を預ける動きが加速。国の監督管理システム外での貨幣流通は大幅に減り、Paytmにビジネスチャンスをもたらした。インドの中央銀行であるインド準備銀行(RBI)の統計によると、「高額紙幣廃止」から3カ月でモバイルウォレット使用量は104%増加し、2017年6月時点のPaytm利用者は2億2500万人にまで急増した。
さらにPaytmは2017年1月、RBIから決済銀行業務「Paytm Payment Banks」の開始を認可された。同業務はインドの非銀行機関が銀行の一部機能(口座開設やデビットカード発行など)を担うもので、Paytmは国内事業をさらに拡大させた。これによってPaytmはアリペイに一層近づき、モバイルウォレットだけでなく預金・資産運用業務も可能となった。
アント・フィナンシャル董事長兼CEOの井賢棟(エリック・ジン)氏は今年9月に開催されたアリババグループの「インベスター・デー」で、2019年6月時点でアリペイと各国のモバイルウォレット業務協力パートナーの利用者が全世界で12億人を超えたことを明らかにした。また、インド、タイ、韓国、フィリピン、香港、マレーシア、インドネシア、パキスタン、バングラデシュで現地版アリペイをリリースしたとしている。
今回の資金調達後、「インドのアリペイ」と呼ばれるPaytmがインド版アリペイとどのような提携を行うかはまだ不明だ。
(翻訳・神戸三四郎)
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