中国の自動運転技術「QCraft」が新たに資金調達、25年には「E2E自動運転」を量産車へ

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中国の自動運転スタートアップ「軽舟智航(QCraft)」はこのほど、逐鹿聚航基金(Zhulu Juhang Fund)からシリーズC+で数億元(数十億円超)を調達した。資金は主に自動運転技術の研究開発への投資などにあてられる。

QCraftは今年6月にシリーズCで数億元(数十億円超)を調達したばかりだ。これまでに、レノボ・キャピタル(聯想創投)、IDGキャピタル、元正資本(Genesis Capital中金資本(CICC雲鋒基金(YF Capital)、招商局創投China Merchants Venture Capital)、ホライズン・ロボティクス(地平線機器人)美団(Meituan)傘下の龍珠資本(Dragonball Capital) TCLなどから7回にわたり資金を調達してきた。 

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QCraftは、無人で運行するロボバスと乗用車の自動運転技術に注力している。 2019年初めに設立され、米カリフォルニア州のシリコンバレーに本社を置いている。同年11月には深圳に中国本社を設立。コアメンバーは全員が中国人で、CEOの于騫氏は米ウェイモ(Waymo)の出身だった

自動運転機能は現在、自動車メーカー各社が熱く競い合っているセールスポイントであることは間違いない。 多くの自動車メーカーはソリューションの独自開発を進める一方で、社外のシステムを採用して基本的な機能を強化し、自動運転機能を迅速に普及させようとしている。

QCraftもこのスマート化の追い風に乗った。 QCraftによると、ある新興自動車大手の自動運転車の量産プロジェクトで指定サプライヤーとなり、自動運転機能を搭載した車両が40万人以上のユーザーに納車され、ユーザーの走行距離は数億キロに達したという。

中国調査機関の高工智能汽車研究院のデータによると、2023年1月~24年7月に、中国の乗用車に搭載されている運転支援機能「NOA(Navigation on Autopilot)」のランキングで、QCraftが市場シェア50.84%で1位となった。

QCraftの于CEOは量産を進めていくなかで、自動運転技術と使用感を絶えず向上させていけると話す。 市場をさらに拡大するため、QCrafは「乗風 Air」、「乗風 Pro」、「乗風 Max」という3種類のNOAソリューションを開発した。

例えば、乗風 Airはホライズン・ロボティクスの自動運転向けチップ「征程 6E」をベースに、4台の魚眼カメラを含む7台のカメラを搭載、10万元(約210万円)クラスの車両に高速道路用NOA機能を実装することを可能にした。乗風 Proは10万~15万元(約210万~320万円)クラスの車両に11台のカメラを搭載し、高速道路用NOAに加えて市街地用NOA機能を実現する。乗風 Maxは自動運転向けチップ「征程 6M」をベースとし、オプションで搭載可能なLiDAR1台とカメラ11台を採用、15万元クラスのモデルで高精度地図に頼らないフルシーンの市街地用NOA機能を提供する。

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于CEOは、大規模生産を実現し納品をした後も、絶えず技術の最適化と向上に取り組んでいるため、今後はコストをさらに削減できると見込む。 「より費用対効果の高いソリューションこそ、我々が目指してきたことであり、最終的に自動運転レベル2からレベル4までのクローズドループマーケティングを完成するのに役立つだろう」と述べた。

現在、自動運転分野のトップ企業が先を争って開発を進めている技術にエンドツーエンド(E2E)方式がある。これは、環境認識や意思決定、車両制御など無数のソフトウエアモジュールが複雑に連携して動く従来のシステムとは異なり、全ての判断や制御をAIが一括して担う新しい方式だ。于CEOも、E2E方式は避けられない技術トレンドであることを認めており、来年早々にもE2Eの自動運転技術で量産車への搭載ができる見込みだという。

于CEO氏は、E2E方式の中核となるAIのトレーニングは、単にクラウド上で学習させればいいというわけではなく、その学習効率が重要になるとし、特に学習データの質やカバー範囲、より効率的なデータの処理能力が大きな鍵を握ると考えている。QCraftはこれまで蓄積してきたデータ駆動型の開発方式により、システムを絶え間なく改良し、より優れた自動運転体験を提供できるとしている。

*1元=約21円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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