かつての名物CEOは不在 バイトダンスによる買収で再出発した元スマーティザン、最新スマホを発表

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かつての名物CEOは不在 バイトダンスによる買収で再出発した元スマーティザン、最新スマホを発表

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TikTok運営元のテック企業「バイトダンス(字節跳動)」が10月31日、スマートフォンの新機種を発表した。開発を手がけたのはモバイル機器・ソフトウェア企業「スマーティザン・テクノロジー(錘子科技)」を前身とする「新石実験室」。スマーティザンは今年になってバイトダンスに買収されており、その傘下に入ってから組織名を変更している。新石実験室はスマーティザン時代の名物CEOを外した残りのメンバーで運営されているという。

バイトダンスが31日夜、北京で行ったスマートフォン「Nut Pro3(堅果Pro3)」の発表会は、前機種「Nut Pro2S」から14カ月ぶりとなる。スマーティザンの元CEOであり、インパクトある言動で話題に事欠かないシリアルアントレプレナー羅永浩氏が登壇しない初めての発表会となった。前回の発表会は昨年8月にスマーティザンとして行われたもので、チケットを購入しないと入場できなかったため、会場外には転売屋が現れたことで話題にもなった。

今回の発表会はもちろん入場チケットも不要で、羅氏も不在だ。会場のムードはいささか落ち着いたもので、羅氏がいた時代とはまったく異なるスタイルで進行した。このことはNut Proシリーズがもはやスマーティザンの手によるものではなく、バイトダンスの製品だということを対外的にアピールしている。発表会に登壇したのは、新石実験室の新総裁でスマーティザンの元CTO呉徳周氏だった。

呉氏は発表会の冒頭で「ご来場の皆さまがやや違和感を持たれていることはわかります。恰幅のよい例の『あの人』が今日はいませんから」と冗談めかした。続けて、「多くの友人が『君らはもう消えた存在だ』と言いましたが、我々は世間から完全に忘れ去られたわけでもありませんでした。みなさんの視界から消えた後もずっと存在しておりました。ただ、公の前に姿を現さなかっただけで」と述べ、会場の笑いを誘った。

Nut Pro3のスペックについては設計担当の方遅氏が説明した。前CEOの羅永浩氏は新機種のデザインに不満のようで、発表会前に「俺は買わないね」とツイートし、「あれは浴室の照明器具みたいだ」と揶揄している。

羅氏が指摘した「浴室の照明」とは、背面カメラの配置デザインを指している。逆L字型に配置された4つのレンズと棒状のフラッシュライトがそのように見えないことはない。

前機種のNut Pro2Sはデュアルカメラだったが、新機種はトリプルカメラを通り越してクアッドカメラを搭載(注:クアッドカメラを採用しているのはブラックとグリーンで、ホワイトはトリプルカメラとなっている)。リアのメインカメラは4800万画素、3つのサブカメラはそれぞれ1300万画素の超広角、800万画素のズーム、500万画素のマクロとなっている。さらに、フロントカメラとリアカメラは動画の同時撮影が可能で、リアルタイムで編集もできる仕様だ。

また、流行のグリーンもさっそく取り入れた。今秋に発表されたiPhone 11でミッドナイトグリーンに人気が集中したことから、グリーンがスマートフォンのトレンドカラーとなりつつある。さらに、過去には背面中央にプリントされていたロゴが左下に移動し、着信時や充電時に点滅するライトが添えられた。

SoCは「Snapdragon 855 Plus」を採用、最大メモリは12G、最大ストレージは256Gで、バッテリー容量は4000mAh。価格は2899~3599元(約4万4000~5万5000円)だ。発表会終了前の午後9時から、大手EC「天猫(Tmall)」「京東商城(JD.com)」「蘇寧易購(Suning.com)」のほか、スマーティザンの公式オンラインショップ「錘子商城」で販売を開始した。

バイトダンスの傘下に入って初の製品ということで、同社のアルゴリズムをはじめ、画像のゆがみ自動補正機能、セルフィーで被写体の輪郭を自動補正する機能まで搭載している。また、TikTokの画像エフェクトも共有でき、随時自動更新される。

ロゴデザインやインダストリアル風の外観など、製品自体は羅永浩氏の率いた時代のスタイルも残しながらも、発表会は以前のように笑いが巻き起こる場面も少なかった。

中国で年間最大規模のオンラインセール「双十一」を目前にしたタイミングの発売で、Nut Pro3の売り上げには一定の成績が見込めるが、スマートフォンは国内市場そのものが勢いを失っている。また、ファーウェイを筆頭とした四大メーカーが9割以上のシェアを占める上、国内事業を強化したファーウェイが戦局をさらに一人勝ち状態に持ち込みつつある。ひさびさに市場に戻ってきたNut Proシリーズだが、弱小メーカーがこの状況で勝ち上がるのは相当難しいだろう。
(翻訳・愛玉)
※画像は36Kr記者の撮影による

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