「ビリビリ動画」がコンテンツ争奪戦に挑む、「Tiktok」や「快手」とKOL争いに

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「ビリビリ動画」がコンテンツ争奪戦に挑む、「Tiktok」や「快手」とKOL争いに

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大手動画共有サイト「ビリビリ動画(bilibili)」が、オリジナルコンテンツの制作能力を持つインフルエンサーの争奪戦に参入した。「Tiktok(抖音)」や動画投稿SNSアプリ「快手(Kwai)」、中国版ツイッター「微博(Weibo)」ですでに高いアクセス数を持つKOL(キーオピニオンリーダー)をターゲットとしている。

先日、ビリビリ動画が「時尚星計画(ファッションスター・プロジェクト)」と題する募集企画を開始した。企画の狙いはただ一つ、Tiktokや快手などで活躍しているKOLを誘致することだ。

選抜基準は二つある。一つ目は、ビリビリ動画に新規アカウントを開設する場合、すでWeiboやTiktok、快手で30万人を超えるフォロワー、またはソーシャルECアプリ「小紅書(RED)」で10万人を超えるフォロワーを持つこと。二つ目は、ビリビリ動画にアカウント登録済みの場合、まだビリビリ動画でのフォロワーは3000人以下であるが、Tiktok、快手などで数十万のフォロワーを持つこと。

ビリビリ動画は今回の企画のために、加盟するKOLがより多くのアクセス数を稼ぎ出すための支援を計画している。これらの支援により彼らが獲得できるアクセス数は、合計20億回分に上るとビリビリ動画は予測する。時尚星計画のKOLたちはプロの運営指導を受けることができるほか、さらに選ばれたKOLはトップページで動画がレコメンドされるなどのサポートと最高1万6000元(約25万円)の奨励金が得られる。言い換えれば、すでに他のプラットフォームで自身の影響力を証明してきた人に対して、ビリビリ動画はお金とアクセス数による支援を用意しているということだ。

ビリビリ動画の2019年第2四半期の決算発表によると、2019年6月末現在の同社の月間アクティブユーザー数(MAU)は1億1000万人、1日あたりの動画視聴回数は5億9000万回に達している。

現在のビリビリ動画は二次元コンテンツに特化したコミュニティーから脱却し、幅広い分野をカバーするオンラインエンターテイメントプラットフォームにまで成長している。今回のKOL誘致は、上場後に加速させている商業化とユーザー数の拡大を目指す上での新たな試みであり、最終的にはコンテンツの拡充を目標としている。

コンテンツの拡充に関して、ビリビリ動画は今まで版権を購入して配信作品を増やすほか、共同制作やオリジナル作品の制作にも注力している。今年6月に行われた創立10周年イベントでは、中国の人気SF小説『三体』を原作としたアニメ制作プロジェクトが発表された。

しかし一方で、コンテンツを拡充した結果、ビリビリ動画はTiktok、快手など他プラットフォームにますます似てくるだろう。

ユーザー定着率の高いコミュニティー作りは、ビリビリ動画が今まで高く評価されてきたポイントであった。しかし、「二次元」ジャンルの枠を超えた幅広いコンテンツを取り揃えれば、幅広い年齢層の会員獲得につながる一方で、既存コミュニティーにおけるメンバー間の一体感を弱めることとなるだろう。

とはいえ、ニッチな分野にフォーカスしてきたプラットフォームが自らコンテンツを拡充することで、既存のイメージを覆すのは、さらなる利益を追求する上で避けて通れない道でもあるといえる。

売上高は伸びるが儲からない、これは今までビリビリ動画の抱える課題であった。

ゲーム事業はビリビリ動画の主要な収益源であるが、その収益だけでは会社全体の黒字を確保できず、他の分野で収益力を高める必要に迫られている。現在ビリビリ動画の商品は動画配信、ライブ配信、ゲーム、Eコマース、音声コンテンツ配信、コラム、フォトアルバムと多岐にわたり、有料コンテンツも重要視されている。

直近の四半期決算報告書によると、ゲーム事業以外の売上高は前年同期比で162%増加し、全体の40%を占めた。特にライブ配信・付加価値サービスは成長著しく、同175%増の3億3000万元(約50億円)となった。また、今四半期の有料会員数は同111%増の630万人に達した。

良質かつ多様なコンテンツでより多くの有料会員数を獲得する、これは収益構造を改善する上での重要な第一歩だ。Tiktok、快手と同じようにアクセス数サポートと助成金をコンテンツ制作者に投下することは、ビリビリ動画が今後の競争を勝ち抜く上で極めて重要であるだろう。
(翻訳:田文)

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