宇宙旅行会社「ヴァージン・ギャラクティック」の上場で近づく宇宙観光

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宇宙旅行会社「ヴァージン・ギャラクティック」の上場で近づく宇宙観光

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宇宙観光における資金調達は、「ブルーオリジン(Blue Origin)」と「スペースX(SpaceX)」がいかに争おうとも、「ヴァージン・ギャラクティック(Virgin Galactic)」が1歩リードしている。

2019年10月28日、英国の億万長者であり、宇宙旅行会社「ヴァージン・ギャラクティック」の創業者でもあるリチャード・ブランソン(Richard Branson)氏が、ニューヨーク証券取引所にて、宇宙観光企業としては世界で初となる株式の取引開始の鐘を鳴らした。銘柄コードは「SPCE」、初日は公開価格より少し下げ11.75ドル(約1300円)で取引を終了した。ヴァージン・ギャラクティックにとってもブランソン氏にとっても一世一代のハイライトだった。

ヴァージン・ギャラクティックが乗客用にデザインされた宇宙服を披露したのは、このわずか11日前。ブランソン氏は興奮気味に「ここ数カ月の間に、弊社は5人を宇宙に送りました。こんなことは、世界中どこの商業宇宙観光会社もやったことがありません」と述べた。

経済紙「北京商務(Beijing Business Today)」によると、ヴァージン・ギャラクティックは昨年12月と今年2月に高度9万mへのテストフライトを成功させたとのこと。2回目のフライトでは、初めて乗客も搭乗した。

ヴァージン・ギャラクティックの宇宙船には、乗務員2名のほか乗客6名が搭乗でき、搭乗チケットは1人約25万ドル(約2700万円)。宇宙との境目(高度100km)まで飛行し、ほんの十数分、無重力状態を味わえるだけではあるが、魅力は十分だ。

スイスの大手銀行UBS AGが3月に発表したレポートによると、宇宙観光はまだ始まったばかりではあるが、10年後には30億ドル(約3300億円)規模に拡大する潜在市場であるとのこと。ヴァージン・ギャラクティックは、来年には商業飛行を開始する予定で、今年6月時点で603人の顧客がチケットの予約金を支払ったほか、潜在的な顧客も3000人以上おり、再来年には黒字化できると見込んでいる。

注目に値するのは、「新浪財経(SINA.COM)」が報じた、今年7月に実施された、ベンチャー投資家チャマス・パリハピティヤ(Chaath Palihapitiya)氏の「Social Capital Hedosophi(ソーシャル・キャピタル・ヘドソフィ、以下SCHと略)」との合併だ。SCHは、2年前にニューヨーク証券取引所に上場している。この合併がヴァージン・ギャラクティック上場の足掛かりとなった。SCHは8億ドル(約880億円)を出資してヴァージン・ギャラクティックの株式49%を取得した。このうち1億ドル(約110億円)はパリハピティヤ氏の個人名義による出資で、これをうけて、同氏はヴァージン・ギャラクティックの新会長に就任し、ジョージ・ホワイトサイズ(George Whitesides)CEOは現職に留まる。

ホワイトサイズCEOは、「今の価格帯でも、今後数年間で200万人ぐらいは宇宙旅行を体験できると思われる。時が経てば、もう少し手頃な価格になるので、そうなれば、一気に市場は盛り上がり、宇宙観光客は4000万人に増えるのではないか」とコメントした。

宇宙観光業界では、ヴァージン・ギャラクティック以外に、トップ企業としてスペースXやブルーオリジンも挙げられる。スペースXの創業者はイーロン・マスク(Elon Musk)氏、ブルーオリジンの創業者はジェフ・ベゾス(Jeffrey Preston Bezos)氏で、どちらも独自のオーラを持っており、ロケット打ち上げ頻度でも引けは取らない。

しかしながら、テンセントニュースが海外メディアを引用して報じたとおり、ヴァージン・ギャラクティックは、昨年12月テスト飛行で宇宙との境目にまで到達し、スペースXやブルーオリジンを大きくリードした。両社とも宇宙観光事業を目標としているが、まだ人類を宇宙に送ったことはない。

ヴァージン・ギャラクティックは、2023年までに事業規模を拡大し、毎年270便を運航する計画である。
(翻訳・永野倫子)

写真:視覚中国(Visual China Group)

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