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10月29日未明、アップルの公式サイトで新型イヤホンのAirPods Proが発売された。
2018年以降、ソニーをはじめとするメーカーはノイズキャンセリング機能(ANC)を前面に打ち出し、アップルとの差別化を図っている。周囲の騒音が多いバス、地下鉄、飛行機などのシーンでは、特にノイズキャンセリングに対するニーズが強い。こうしたシーンに対応した機能がないことは、従来のAirPodsの大きな欠点だった。最新のAirpods Proはついにファンが待ちわびたこの機能を搭載した製品で、IPX4等級の防水も実現している。
10月30日午前、36Krはこのイヤホンを入手しテストしてみた。
Airpods Proは、前2世代のAirpodsと大きく異なった外観をしている。Proのブルートゥース充電ケースはフラットで、サイズは先代とほぼ同じで小ぶりだ。イヤホンの本体サイズは小さくなり、シリコン製イヤーチップが追加されたことでドライヤーのような形になっている。
Proで新たに通気構造を採用し圧力を感じさせないようにしたため、カナル型のイヤホンとしては装着感は悪くない。先代製品より装着感の強いつけ心地ではあるが、それでもカナル型としては上質だといえる。
Proはこれまでの2世代の製品と同様に接続が簡単で、複数のデバイスに接続する際もiCloudを経由してシームレスに共有可能だ。ただ、こうしたディテールよりも、やはりノイズキャンセリングこそが新製品の一番の「売り」だろう。
Airpods Proのノイズキャンセリング機能は3つのモードを持つ。外部音を遮断するノイズキャンセリングモード、外部音取り込みモード、そして上記2つの機能をともに停止した通常のカナル型イヤホンと同じモードだ。
Airpods Proのノイズキャンセリング能力を確認するために、北京地下鉄2号線に約20分乗り込みテストした。音量を測定するアプリによると、車内の音量は平均で91デシベル、最大で111デシベルに上り、騒音が非常に大きい環境だ。
比較として、ゼンハイザーのMomentum True Wirelessでもテストした。昨年8月末に発売されたこのTWS(完全ワイヤレスステレオ)イヤホンは、同種製品のなかで最も高価で、価格、商品の位置づけ、防水機能などがAirpods Proと近い。
AirPods Proのノイズキャンセリングモードを使用し駅のホームに立つと、音楽を流さなくても外部の騒音はほとんど聞こえないが、駅構内のアナウンスは聞き取ることができた。電車がホームに進入したときの音はほぼ遮断された。車内でもノイズキャンセリングの効果は明らかで、ほかの乗客の話し声や車内アナウンスは聞こえるが、音量はかなり小さくなり、優れた機能を実現していると言える。
音楽を再生してみると、全く騒音が聞こえないというほどではないが、ほぼ遮断されている状態だ。しかし、安全面の懸念から乗車中にノイズキャンセリングモードをずっとつけたままにするのはおすすめできない。筆者は実際に一駅乗り過ごしてしまった。
ゼンハイザーのイヤホンは音楽再生時の体感はAirPods Proとほとんど変わらなかったが、走行中の車内ではAirPods Proのパフォーマンスのほうが優れていた。AirPods Proは通勤中の使用に十分応えうる機能を持つと言えよう。
Airpods Proは革命的な製品ではなく、ノイズキャンセリングもIPX4等級の防水も他社製品ですでに実装済みの機能だ。しかし、アップルはTWSイヤホンで50%近いシェアを占めているため、同社の新製品は今後の風向きを示す上で重要な意味を持つ。ノイズキャンセリングがさらに普及するためには、アップルの牽引が必要だろう。
この業界にとって、オーディオ機器専門メーカーの市場をじわじわと侵食する可能性を示したことが、Airpods Proの大きな意味だと言える。(翻訳:小六)
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