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中国の自動運転電気自動車(EV)スタートアップ「PIX Moving(貴州翰凱斯智能技術)」がこのほど、シリーズB1で浙商創投(Zheshang Venture Capital)などから資金調達をした。調達した資金は主に、自動運転の小型バス「RoboBus」や無人販売車(RoboShop)などの量産と市場拡大にあてられる。
PIX Movingは2017年に設立され、スマート製造と3Dプリンティング技術を駆使してスケートボード型EVシャーシーやインテリジェントカーを製造する。現在、物流や清掃、通勤などさまざまなシーンに対応する車種の開発に取り組んでいる。これまでに、中国、欧州、米国で200件以上の特許を出願している。
特に日本では、2021年から大学や研究機関、大手企業などとの協力を深め、特定の用途に応じた自動運転技術の開発に参画してきた。23年4月には、日本法人「株式会社ピクシームービング」を東京に構え、24年6月に日本のIT大手の「TIS」との合弁会社「ピクセルインテリジェンス株式会社」を設立した。また、神奈川県茅ヶ崎市に海外初となるロボット工場を開設し、車両部品の組立てを行う計画だ。これにより、中国からの製品輸送サイクルを短縮し、製品の品質保証とアフターサービスの効率向上を図るという。
PIX Movingの創業者兼CEOの喻川氏は36Krの取材に対し、同社は全く新しい製造方法を採用していると語った。従来の自動車会社では、新車種の開発に通常3年以上かかり、その製造にはプレス、溶接、塗装、組み立ての4つの主要工程が含まれるが、PIX Movingは3Dプリンティング技術によって溶接工程を省くことで、製造時間の大幅な短縮を実現した。この方法により、新車種の開発サイクルは1年未満となり、100点以上の自動車部品を統合して車体の強度を高めるとともに、製造コストの削減も可能となっている。
中国国内でまず一連の事業を完成させて、段階的に海外へ進出していく多くのスタートアップ企業とは異なり、PIX Movingは創業当初からグローバル市場戦略を採用している。特に欧州や日本では人件費が相対的に高く、自動運転や都市サービスロボットへの需要が高いため、同社はこれらの地域を中核市場と位置づけ、技術の実用化と市場への浸透を優先している。
現在、同社は自動運転バスや無人販売車、無人清掃車などを製造し、世界で30以上の国と地域に顧客を擁している。喻CEOによると、PIX Movingは欧州の完成車メーカーのスタートアップとも提携し、スケートボード型シャーシ技術を活用した量産モデル「Robo-NEV」を2025年に欧州市場で販売する予定だという。
PIX Movingは中国と日本に2つの工場を構え、すでに数億元(数十億円超)の受注を受けている。また、400社以上の企業と協力し、累計20以上の車種を開発している。しかし、生産能力は需要に追いついていないため、量産能力の拡大に向けて新工場の建設を計画している。
喻CEOは、現在のスケートボード型シャーシの生産・製造の市場はまだ初期段階であるとし、今後の市場普及に伴い、PIX Movingは商用車や乗用車まで事業領域を広げていくと述べた。
*1元=約21円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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