中国、スマート農業技術の実用化を加速。電動農機ロボ「中科原動力」、約20億円の資金調達

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中国の農業ロボットメーカー「中科原動力科技(AIForceTech)」がこのほど、シリーズB1で1億元(約20億円)近くを調達した。厦門先進一号製造業基金が出資を主導し、既存株主の祥峰投資(Vertex Ventures)も追加出資した。今回調達した資金は、新エネルギーで動くスマート農業ロボットの量産、プロモーション、グローバル市場の開拓に充てる方針だという。

中科原動力は、中国科学院微電子研究所の支援を受け2019年に設立された農業ロボットメーカーで、国が指定する専門化・精密化・特徴化・新規性の特徴を備えたスタートアップ企業「専精特新小巨人企業」となっている。チーフサイエンティストの李徳毅氏は中国工程院の院士で、コアメンバーにも清華大学やカリフォルニア大学バークレー校など名門校の出身者がそろう。

同社は農業の全プロセスに対応する自動化技術を確立し、農業機械の無人作業システムのほか、新エネルギーで動く農業ロボットを提供している。ソリューションは、畑や水田、ビニールハウス、果樹園、牧場などに広く対応しており、すでに累計100万ムー(約6万7000ヘクタール)近い農地で無人の農作業を完了したという。

足元では、従来方式の農業が労働力不足などの課題に直面しており、農業機械の電動化シフトや自動化が加速している。

中科原動力は世界的な農業ロボットブームに着目し、スマート電動トラクター「万途」シリーズ、無人運転可能な農業機械「智牛」シリーズ、収穫・搬送・農薬散布向けの農業ロボット「智農」シリーズ、無人作業システム「智耘」シリーズを打ち出してきた。

製品は大規模な商用化の段階に入っており、万途シリーズはすでに江蘇省鎮江市の複数の耕作地や牧場で活用されている。従来型トラクターに比べ、万途シリーズは作業効率が30%向上し、エネルギーコストを80%削減できるという。2024年10月には、新製品の大馬力電動トラクター「万途2604ET」を発売。小馬力から中馬力、大馬力までをカバーする製品ラインアップがそろった。

同社は海外市場の開拓も進めており、2024年12月にはパキスタンの農業の中心地パンジャブ州と提携契約を結んだ。双方は共同で農業ロボットの普及を推進し、同国の農業の効率化と生産性向上を後押ししていくという。

中科原動力の創業者で会長兼CEOの韓威氏は、農業機械のオペレーターの需要が高まる一方で、農業労働力の流失や高齢化が進んでいるため、将来的には農業ロボットが農業生産の主力を担うようになると指摘。今後は製品のイノベーションと市場開拓を加速し、世界の農業の持続可能な発展に貢献していく考えを明らかにした。

*1元=約21円で計算しています。

(翻訳・田村広子)

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