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中国ロボット掃除機、ユニコーン企業「Narwal Robotics(雲鯨智能科技;以下、ナーワル)」は2024年12月、広東省深圳と江蘇省無錫の政府系ファンド2社から、新たに数億元(数十億円超)の資金調達を完了した。
2016年以来、ナーワルは8回にわたり累計数十億元(数百億円)を資金調達している。株主には、TikTokを展開するバイトダンス(字節跳動)や紅杉中国(HongShan、旧セコイア・チャイナ)、源碼資本(Source Code Capital)など著名な機関投資家が含まれている。
近年、ロボット掃除機などの掃除関連機器の市場は拡大を続けている。AIモデル、5G、IoTなどの技術進歩と消費者ニーズの高まりにより、床拭き掃除機、水拭き掃除機、掃除機クリーナーなどの製品の売上高と市場シェアは着実に広がり、徐々に日常家庭に必須な家電のひとつになってきている。
一方で、新たに参入する企業も多く、競争が激化しているため、市場の成長は鈍化し始めた。製品も初期の真新しさからくる人気が薄れ、技術、性能、価格の競争に入り、徐々に画一化の傾向が現れている。そのため、 技術革新への回帰と顧客ニーズへの洞察は、メーカーが市場の変化に対応し、競合他社を凌駕するためのキーワードとなっている。
ナーワルは、SLAM(移動体の自己位置推定と環境地図作成を同時に行う技術)、3Dセンサー、物体認識、ロボット構造、ビッグデータ活用などの技術を組み合わせて、床掃除のシーンに応じて、製品ラインアップを床拭き掃除機と水拭き掃除機の2つのカテゴリーに絞っている。
中国市場では、同社の床拭き掃除機は「逍遥シリーズ」、「Jシリーズ」、「Rシリーズ」などに分けられ、価格帯は2000元(約4万4000円)から5000元(約11万円)にわたる。 その中で「逍遥シリーズ」はハイエンド層の顧客をターゲットにしており、最高級の機能を搭載し、完全自動型掃除機のフラッグシップとして位置づけられる。
「Jシリーズ」はミドルエンド層に狙いを定め、総合的な機能と強力な掃除の能力を備えている。「Rシリーズ」はミドル〜ローエンド層のコストパフォーマンス重視のニーズに応え、日常の掃除機能の需要を満たす。
水拭き掃除機では、S1、S1 MAX、S2、F1、S2 Islandなど様々な製品を発売し、価格帯は1000~3000元(約2万2000~約6万6000円)で段階的に設定されている。
ナーワルは製品開発に関して、実際の利用シーンでユーザーが解決したい悩みに正確に焦点を当てている。 例えば、J4シリーズでは、革新的な「フローティングブラシ」を実現し、髪の毛が絡まる問題を効果的に解決することができる。最新リリースの逍遥シリーズでは、高度な空間認識システム、自社開発のデュアルコアのチップと2眼センサーの構造で、 AIモデルを搭載し、ロボット掃除機の適応と動作の能力、対話能力を向上させた。
中国国内の消費者需要の鈍化を背景に、「海外進出」は多くの中国ロボット企業にとって避けられない選択肢となっている。
ナーワルは2023年からグローバル事業を大規模に展開しており、海外市場で急成長している。 公表データによると、2024年9月末時点で、同社の海外事業の売上高は前年同期比7倍近くに増加し、日本を含め北米、欧州、韓国、オーストラリア、東南アジアなど30以上の国・地域に輸出している。今後も投資を増やし続けて、海外での事業展開をさらに強化していく方針だという。
*1元=約21円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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