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米アマゾンの無人店舗「Amazon Go」が登場すると、中国でも2016年頃から無人のコンビニや店舗などが急速に増え、多くの投資家や企業が市場に参入した。しかし、売れ行きは伸び悩み、維持管理コストの高止まりやサプライチェーン構築が複雑なこともあって、無人販売ビジネスは急速にしぼんでいった。
ところが最近、人工知能(AI)技術を活用した新しいタイプの無人販売機(AI自販機)がオフィスや空港、駅など多くのスペースに設置されるようになっている。設備の中には、ミネラルウォーターやお茶、コーヒーなど飲料のほか、インスタントラーメンや菓子、パン、ケーキ、乳製品などさまざまな商品をそろえており、まるでミニコンビニのようだ。なかでも「豊e足食(Feng1)」は、先端技術によって販売機の使いやすさと運営効率を向上させた代表的なブランドとなった。
豊e足食のAI販売機は、フロントエンドとバックエンドをそれぞれ担当する2種類のAIで運営される。フロントエンドでは、利用者がアプリで注文後に顔認証もしくは二次元コードスキャンをすれば、販売機を開けて商品を取り出すことができ、扉を閉じると自動的に決済される。さらに購入履歴をもとに割引クーポンも発行される。
一方のバックエンドでは、AIとビッグデータ分析によって利用者の消費行動を分析・予測し、ニーズに合わせた商品の構成と数量を調整する。これにより運営効率が最適化されてコストが下がり、競争力が高まる。従来は担当者が決めていた商品補充の方針をAIが決めるため、担当者は商品を迅速に運ぶことを考えるだけで良い。
AI自販機は、従来の自動販売機よりも大幅に価格を抑えられる。同社の製品は価格がわずか数千元(数万円超)で、2万元(約40万円)前後の一般的な自動販売機を大きく下回る。このコスト優位性を武器に、さまざまなスペースで製品の導入が進んでいる。
さらに、AIが手作業による維持管理のコストも減らした。例えば自動販売機が普及している日本では、商品補充の担当者が毎日10台あまりの販売機を巡回し、不足している商品を速やかに補充している。
豊e足食の製品なら、担当者1人で月100台以上を管理できる。同社の朱涛COOによると、それぞれの担当者が受け持つ販売機の商品在庫に応じてバックエンドシステムが最適な巡回ルートを決定するため、担当者は示された通りに商品をピックアップし、ルートに従って商品を補充すればよい。また、設備に発生したトラブルもすぐに発見されるという。
豊e足食は現在中国最大の無人販売サービス業者として、国内で70カ所あまりの都市にある14万カ所以上のスペースにAI自販機を設置しており、2024年の売上高は20億元(約420億円)に上る見込みだ。
*1元=約21円で計算しています。
(翻訳・大谷晶洋)
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