シンガポール発「Xnergy」、高出力ワイヤレス充電で市場拡大 ロボットからEV、eVTOLまで対応

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電気自動車(EV)市場での競争が激化するなか、ワイヤレス充電サービスへの注目も高まっている。

Xnergy(犀能)は2018年にシンガポールで設立され、現在は欧米やアジアの20カ国以上で事業を展開。自律走行ロボットや新エネルギー分野を中心に、高出力のワイヤレス充電ソリューションを提供している。

これまでに、シンガポールの精密エンジニアリング企業・Accuron Technologiesや、韓国の現代自動車(ヒョンデ)グループ、友利銀行(Woori Bank)の投資子会社から複数回の資金調達を実施した。

Xnergyの製品ラインアップは多岐にわたり、ロボット用の3~9kWワイヤレス充電ソリューションから、EV用の22kW・800V双方向充放電ソリューションまで提供。ドローン、電動スクーター、自律走行ロボット、自動運転フォークリフト、電気バスなど、さまざまなシーンで活用されている。

中国の移動ロボット(AGV / AMR)産業聯盟によると、世界の自律走行ロボットの販売額は2023年に約53億ドル(約8000億円)に達しており、主に自動車製造、太陽光発電、リチウムイオン電池、物流などの分野で導入が進んでいる。

Xnergyの胡暁磊CTOによると、同社が設立される2年前に欧州の自動運転フォークリフトメーカーがソリューションを模索するなど、自律走行ロボット分野では以前からワイヤレス充電に対するニーズがあったという。

現在、同社は100社以上の顧客にワイヤレス充電ソリューションを提供。対象となる製品は、自動運転フォークリフト、リフトアップ可能な自動搬送ロボット、巡回ロボット、サービスロボット、清掃ロボットなど60種類以上に及ぶ。設置された充電モジュールの数は数千点、累計充電回数は100万回を超える。

Xnergyのソリューションはコンパクトな充電器ながら高出力で、互換性に優れ、モジュール化されているといった点が強みだ。

胡CTOによると、ワイヤレス充電技術の課題は高出力化だという。ロボットや新エネルギー車(NEV)分野では、10kW、20kW級の充電器が求められており、同社はすでに22kWのワイヤレス充電器を開発。この製品は、同サイズの他社製品と比較してアンペアが50%高く、より高速な充電が可能となっている。

また、モジュール化することで大量生産が可能になり、品質の保証やコスト削減が容易になる。また、並列接続することで、より高出力の充電器を求める顧客からのニーズに応えた。

顧客が実際に使用する電池の種類はさまざまだが、Xnergyは充電曲線をカスタマイズし、各電池の特性に最適な電流・電圧を調整。これにより、より短時間での急速充電が可能となり、電池の寿命を延ばすことにも貢献している。

また、充電器の開発だけでなく、顧客が端末やクラウドプラットフォーム上で充電器の状態を遠隔モニタリングできるシステムを導入し、利便性の向上にも取り組んでいる。

数々の高出力製品開発とともに、利用シーンの開拓も進めている。2024年には韓国・現代自動車グループの投資会社などから資金を調達して新エネルギー車分野に参入し、取り組み強化を続けている。また、世界の低空経済の盛り上がりに合わせ、eVTOL(電動垂直離着陸機)市場の需要分析を進め、関係メーカーとの協業を模索している。

*1ドル=約155円で計算しています。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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