AR/VR機器普及の鍵?…コンテンツ提供プラットフォーム「HooRoo XR」に注目

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スマートデバイス向けコンテンツプラットフォームを運営する「葫楽科技(Hule Technology)」がこのほど、VFX(視覚効果)・VR(仮想現実)コンテンツのベンダーの数字王国(Digital Domain)が主導するプレシリーズBで数千万元(数億円超)を調達した。資金は研究開発のほか、エコシステム構築や市場開拓に充てられるという。

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葫楽科技のプロダクトは、AR(拡張現実)グラスやスマートウォッチ、イヤホン、プロジェクターなど各種デバイス向けアプリにプリインストール可能。米アップルや韓国サムスン電子など世界のデバイスメーカー50社余りと提携しており、DAU(1日あたりの利用者数)は400万人を突破、190カ国以上でサービスを提供している。

VRヘッドセットやARグラスなどに代表されるスマートウェアラブルデバイス市場は、猛烈な勢いで成長している。カナダの調査会社Precedence Researchによると、2023年の市場規模は600億ドル(約9兆円)に達し、34年には4000億ドル(約60兆円)を突破する見通しだという。

ウェアラブルデバイス市場は広がっているが、空間コンピューティング関連のアルゴリズムは複雑で参入障壁も高く、大手デバイスメーカーの開発チームは技術レベルと開発効率を試されている。また、現在のところデバイスに対応するコンテンツが少ないため、新鮮味を感じて購入したユーザーを飽きさせてしまうという問題がある。さらに、メーカー同士の価格競争だけでなく、一度売ったらそれっきりのビジネスモデルも、デバイスメーカーの収益増を阻む。

これらの課題を解決するため、葫楽科技は空間コンピューティングプラットフォーム「HooRoo XR」を開発。人工知能(AI)を活用したフィットネスやダンス、ゲームなどの体感アプリを数百種類提供し、楽しみながら健康になれるインタラクティブコンテンツを消費者に提供すると同時に、デバイスメーカーが第二の成長期を迎えられるよう後押しする。

現在のゲームプラットフォーム市場では、任天堂の「ニンテンドースイッチ」、ソニーの「プレイステーション」、マイクロソフトの「Xbox」が主流となっている。これらの家庭用ゲーム機とは違い、HooRoo XRは手持ちのデバイスのメーカーや基本ソフト(OS)にかかわらず、ユーザー同士がオンライン上で交流し、没入型の体験を楽しめる。高価なゲーム機を買う必要はなく、スマートフォンや一般的なスマートデバイスさえあればいい。

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葫楽科技はAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)も提供している。アプリ開発者は、空間コンピューティング向けのアルゴリズムモデルを集めたデータベース、デバッグツール、AIアシスタント、アプリケーションフレームワークを利用し、早ければたった1日で体感ゲームの開発からリリースまで終えられる。同社は今後2年間で1000人以上の開発者と協力し、数千種類のゲームをリリースする計画だという。

創業者の鄭方氏はハーバード大学出身で、20年以上にわたってグローバル市場で投資の経験を積んできた。中心メンバーには、ゲームやインターネット、アルゴリズム開発などの業界に長年携わった人物がそろう。

*1元=約21円、1ドル=約150円で計算しています。

(翻訳・田村広子)

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