36Kr Japanで提供している記事以外に、スタートアップ企業や中国ビジネスのトレンドに関するニュース、レポート記事、企業データベースなど、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」を会員限定にお届けします。無料会員向けに公開している内容もあるので、ぜひご登録ください。
原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
工業用防さび処理装置とソリューションを提供する中国企業「海桓科技(HYDWIN)」がこのほど、シリーズAで数千万元(数億円超)を調達した。中国の港湾運営企業が出資を主導し、既存株主の雲時資本(Seas Capital)も追加出資した。資金は製品開発や市場開拓、チームビルディングなどに用いられるという。
海桓科技は2021年に設立され、超高圧部品に関わる技術や人工知能(AI)アルゴリズムなどの自社開発を手がけ、船舶産業や化学工業などに垂直統合型のソリューションを提供している。主力製品の車載型船体清掃ロボット「Treatment Carrier」シリーズは、船舶の外板、船底、船倉の洗浄とさび落としに特化して設計されたもので、船体の95%以上の範囲をカバーし、あらゆる種類の船舶に使用できる。
これまで船体の洗浄やさび落としには、手作業のサンドブラストや壁面走行ロボットが使われてきたが、作業効率が低く、事故のリスクが伴うほか、排水による環境への負荷も大きい。世界の船舶産業では環境問題に配慮した取り組みが進み、排水規制がますます強化されているため、これまでの洗浄方式は継続が困難になっている。
海桓科技の船体清掃ロボットは作業効率を従来方式の10倍近く高めることができる。これまで240人を要していた作業を、ロボット4台とオペレーター8人で完了できる。環境にも配慮して、汚水を回収・ろ過するシステムをロボットに内蔵し、さび落としの工程で排出される汚水の99%を再利用できるようにした。
船体清掃ロボットには「Treatment Carrier X」と「Treatment Carrier D」の2種類がある。Xシリーズは広い平面部や船首・船尾など高所での作業向けで、作業効率は1時間に最大120平方メートル、3500時間以上の連続稼働でも無故障を達成した。Dシリーズは船底やビルジキールなど形状の複雑な部分に適している。いずれもリモート制御でき、作業データのリアルタイム伝送や視覚的モニタリングが可能。計画区域内での自動運転や全自動巡回作業などの機能も備えている。さらに、固形粒子や塗膜くず、鉄さび、汚水などをろ過・回収できる真空集積システムを内蔵しており、適正に処理して排出したり、車載型浄水装置とつなげて浄化したりできる。
海桓科技は自社の生産ラインを有しており、部品なら即日発送、清掃ロボットも最短45日で納品できるという。海外事業については、各国のニーズに特化したプランの提供や現地に合わせたトレーニングに加え、現地でのアフターサービスを展開するため、すでにグローバルチームを立ち上げている。
これまで、デンマークの海運会社マークスや世界的なコンテナ船会社MSCなど、世界の海運大手数十社にサービスを提供してきたほか、中国国内でも2023年に船舶のさび取りロボット市場でシェア45%を占め、首位に立った。
*1元=約20円で計算しています。
(翻訳・畠中裕子)
36Kr Japanで提供している記事以外に、スタートアップ企業や中国ビジネスのトレンドに関するニュース、レポート記事、企業データベースなど、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」を会員限定にお届けします。無料会員向けに公開している内容もあるので、ぜひご登録ください。
原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録