中国で生活に浸透するAI技術、若者の頼れるアシスタントに

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中国では現在、人工知能(AI)技術が若者のライフスタイルを静かに変えつつある。中国インターネット情報センター(CNNIC)が1月に発表した第55回「中国インターネット発展状況統計報告」によると、中国では2億4900万人が生成AIを使ったことがあると回答しており、そのうち20~29歳のネットユーザーの使用割合が最も高く、41.5%に達した。この数字から、AI技術が日常生活に深く浸透していることがうかがえる。

教育分野では、AI技術の導入により、学習のプロセスがより効率的で興味を引くものになっただけでなく、知識の習得方法も目に見えない形で変化している。例えば、中国のSNSアプリ「小紅書(RED)」では、「Deepseekで単語暗記」に関する投稿数が1万件を超えている。小学生から会社員まで、誰もがDeepseekを使ってより効率的に単語を覚えるこつを動画で共有している。ある高評価の投稿はとりわけ独創的で、暗記したい単語をDeepseekに入力し、それらの単語を使って面白いショートストーリーを作らせるという方法と、作成された巧みな読解問題を紹介。単語の暗記を没入型の学習体験に変えるこの方法は、6万2千もの「いいね」を獲得している。

湖南省長沙市にある中南林業科技大学の尹双鳳副学長は、大学生のAI利用ルールを定める際には、学生の主観的な意欲を分析することが基本原則だという。つまり、学生が怠けるためにAIツールを使用するのであれば、それは明らかに望ましくないが、学習効率を向上させるためにAIツールを使用する場合は、主体的な学習能力の反映と考えられるからだ。

キャリア形成においても、AIは若い求職者にとって頼れるアシスタントとなっている。インテリジェント履歴書最適化機能は、求人要件に応じて内容の重点を自動的に調整し、模擬面接機能は自然言語処理(NLP)を通じてリアルタイムでフィードバックを提供する。さらに、一部のシステムには感情分析モジュールも統合されており、ユーザーが感情的な表現を入力すると、すぐに心理カウンセリングのメカニズムが作動し、ユーザーに心理サポートを提供する。技術が「人間らしく」発展するこのような傾向は、ツールの理性と人間的な気遣いの融合に加え、キャリア形成分野におけるAI技術の大きな可能性も示している。

文化体験の革新にも目を見張るものがある。歴史愛好家はこれまでのようにガイドに従って閲覧するだけでなく、音声対話を通じて文化財を読み解くことができるようになった。さらに目を引くのは、大規模言語モデル(LLM)に基づいて構築された歴史上の人物との対話システムで、ユーザーは今や、時空を超えてデジタル化された歴史キャラクターと対話することもできる。この新たな文化体験方法は、ユーザーの精神世界を豊かにするだけでなく、歴史と文化に対するより深く幅広い理解を可能にする。

これらのテクノロジーの応用は、若者の学習ペースや就職活動の形、文化消費の習慣を変えつつある。教育面ではいつでも個人に合わせたプランが提供され、キャリア形成ではインテリジェントなナビゲーションが伴走し、文化体験は交流型・参加型に変わる中、テクノロジーは冷たいコードからぬくもりのある生活アシスタントへと変化し、この世代の日常風景を静かに作り変えている。【新華社北京】

中国DeepSeekの衝撃・創業者独占取材「中国AIがいつまでも米国の追随者であることはない」

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