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国際的な標準化団体、国際電気標準会議(IEC)はこのほど、中国主導で制定された介護ロボットの国際標準「コネクテッドホーム環境で使用する自立生活支援ロボットの性能判定基準」(IEC63310)を発表した。
複数の専門家が今回の基準発表について、同分野の国際標準の空白を埋め、中国が技術の応用者から国際ルールの制定者に躍進したことを示すと分析し、介護ロボット産業の規範化を加速させるとの見通しを示した。
中国では高齢化が厳しさを増している。最新データによると、人口に占める60歳以上人口の割合は22%になり、初めて3億人の大台を突破した。35年には深刻な高齢化を迎え、60歳以上の割合が30%を超えると予想されている。
中国工業情報化部直属のシンクタンク、中国情報通信研究院人工知能(AI)研究所の張蔚敏副主任は、中国の介護ロボット産業は競争力が高いとし、その理由として主に川上の中核部品を含む整った産業チェーンがあること、市場規模と応用の潜在力が大きいことの2点を挙げた。
調査会社の前瞻産業研究院によると、2024年の中国介護ロボット市場規模は79億元(約1700億円)だった。29年には159億元に増加し、年平均伸び率は15%を見込む。このほか、50年の世界の60歳以上人口は21億人に達するとの予測もあり、海外市場の成長余地も大きくなっている。
中国都市発展研究会の賀可嘉副理事長は、「シルバー経済」(高齢者への商品・サービスの提供、および高齢準備期の一連の経済活動の総称)は向こう3~5年で戦略的好機の到来期を迎えるとし、「標準の制定、産業と金融の融合、利用シーンのイノベーション」を通じて、介護ロボット産業は中国の高齢化という課題を質の高い発展の新たな原動力に変えていくとの見通しを示した。【新華社北京】
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