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ドイツ経済紙「ハンデルスブラット」はこのほど掲載した記事で、中国は産業投資と技術革新によって経済を発展させており、「中国製造(メード・イン・チャイナ)」は価格優位性を備え、品質もますます高まっているとの認識を示した。記事の主な内容は次の通り。
かつて中国企業が生産する家電製品やアパレル、消費者向け電子機器などは価格に大きな強みがあり、ドイツの消費者と企業はそこから大きな利益を得ていた。こうした中国企業は今、ドイツ同業の強力なライバルになりつつある。
ドイツ産業連盟(BDI)の中国代表、エリサ・へルハーガー氏は、ドイツ工業の3大業界である自動車、機械・エンジニアリング、電気工業はいずれも中国に起因する激しい競争に直面していると指摘した。
ドイツ機械工業連盟(VDMA)の中国部門マネージングディレクター、クラウディア・バルコウスキー氏は、「中国製造」の品質はますます向上し、中国はすでにドイツを抜き、世界機械製造業最大の輸出国になっていると明かした。その上で、中国企業の成功は原材料と中間製品のコスト優位性、国内の整ったサプライチェーン(供給網)、巨大な内需がもたらすスケールメリットのおかげだとの見方を示した。
中国に進出するドイツ企業で構成する在中国ドイツ商工会議所(中国ドイツ商会)が発表した2024/25年度のビジネス信頼感調査報告によると、調査対象企業の55%が所属する業界では中国企業がすでにイノベーションのリーダーとなっており、または5年以内にリーダーになると回答した。
中国企業の産業発展とイノベーションのレベル向上は中国の産業政策によるところが大きい。ヘルハーガー氏によると、中国は産業政策の目標を実行する際、ドイツの工業の自動化(オートメーション)とデジタル化の経験を参考にしており、中国の実行力はドイツより力強いという。
産出の面からみると、中国とドイツの工業の輸出モデルには明確な類似性がある。中国が発展の重点を置く分野とドイツが優位を持つ産業は重なるところもあるが、中国の発展ペースは加速し続けている。
中国はさまざまな政策・措置を打ち出し、「専精特新(専門化、精密化、特色化、斬新化)」の特徴を持つ中小企業の発展を支援している。未来産業への投資を伸ばす仕組みを構築し、バイオ製造、量子科学技術、身体性を持つ人工知能(エンボディドAI)、第6世代移動通信システム(6G)などの未来産業を育成することを打ち出している。これはますます多くの中国企業が資金とサービス面で支援を得ることを意味する。
中国はかつて、ドイツの技術と発展構造を参考にしていた。だが、今では技術格差を縮め、先頭に立つことを目指し、急速な発展を続けている。【新華社フランクフルト】
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