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中国スポーツ用品大手の安踏体育用品(ANTAグループ)は4月10日、ドイツのアウトドア用品ブランド「Jack Wolfskin(ジャック・ウルフスキン)」を買収すると発表した。買収額は2億9000万ドル(約420億円)で、買収手続きは6月末から7月初旬にかけて完了する見込み。
Jack Wolfskinは1981年に設立され、アウトドア用のウェアやシューズ、寝袋、テントなどを手がけてきた。とくにドイツを中心とした欧州市場で高いブランド力を誇る。
ANTAグループはJack Wolfskinを傘下に収め、アウトドア分野での競争力強化を狙う。同社の効率的なサプライチェーンと運営基盤を活用し、成長が続く中国のアウトドア消費市場でJack Wolfskinの存在感を高める方針という。
今回の買収は、ANTAグループが推進する「マルチブランド戦略」の一環だ。2009年にイタリアのスポーツブランド「FILA(フィラ)」の大中華圏における商標使用権および運営権を取得して以降、M&A(合併・買収)を通じて複数の高級スポーツブランドを傘下に収めてきた。
現在は、自社ブランドの「ANTA(アンタ)」に加え、日本の「Descente(デサント)」、韓国の「Kolon Sport(コーロンスポーツ)」のほか、フィンランドのAmer Sports(アメアスポーツ)が擁する「Arc’teryx(アークテリクス)」や「Salomon(サロモン)」「Wilson(ウィルソン)」などをを展開。一般消費者からプロフェッショナル向けまで、国内から海外までをカバーする包括的なスポーツブランドエコシステムを構築している。
2024年のANTAグループの売上高は前年比13.6%増の708億2600万元(約1兆4000億円)、アメアスポーツの377億5200万元(約7600億円)を加えた連結売上高は1085億7800元(約2兆2000億円)に上った。これにより、ANTAグループは米ナイキと独アディダスに次ぐ世界3位のスポーツ用品グループに躍進した。
マルチブランド戦略で快進撃の中国スポーツウエア大手「ANTA」、FILAを買収した受託製造企業からアディダスを超える道のり
1ドル=約144円、1元=約20円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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