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車載電池の世界最大手、中国の寧徳時代(CATL)が4月14日、2025年1~3月期の決算を発表した。売上高は前年同期比6.18%増の847億元(約1兆7000万円)となり、市場予想の955億元(約1兆9000億円)を大幅に下回った。純利益は32.85%増の139億6000万元(約2800億円)、粗利益率は1.15ポイント増の24.4%だった。車載電池業界の激しい競争を背景に、製品構成の最適化・コスト管理・技術の高度化を進め、収益性を向上させた。
韓国の調査会社SNEリサーチによると、CATLは25年1~2月の車載電池搭載量で世界シェア38%を占めた。なかでも、欧州市場でのシェアは前年同期比で8ポイント増加し、43%に達している。
世界の車載電池市場が徐々に飽和に向かうなか、CATLは新たな成長の柱を育てるべく全力で取り組んでいる。データセンター向けなど世界の蓄電池市場が急拡大していることが背景となり、同社が25年1〜3月に販売した電池のうち2割近くを蓄電池が占めた。
CATLは現在、香港取引所への新規上場手続きを進めており、4月10日には公聴会を通過した。すでに深圳取引所に上場しているため、重複上場となる。香港上場での調達額は50億ドル(約7200億円)規模になる見通しで、その8割を海外事業に投入し、新たに100GWの生産能力を確保する計画だという。
すでに稼働しているドイツ工場に加え、ハンガリー工場や欧米自動車大手ステランティスとの合弁によるスペイン工場の建設、インドネシアにおけるサプライチェーン構築などのプロジェクトを進めている。同社幹部によると、ドイツ工場は25年1〜3月期時点で黒字化を達成しているという。
CATLは米国の関税政策の影響について、米国向け出荷量の割合は比較的小さいうえ、環境の変化に応じた対応策を24年から講じてきたため、業績への影響は少ないと説明。現在は前向きな解決策について顧客と協議を進めているという。
*1元=約20円、ドル=約144円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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