対中AIチップ規制めぐり米2社が対立、Anthropic支持声明にNVIDIAが反論

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大規模言語モデル「Claude」を提供する米Anthropic(アンソロピック)は4月末、米政府の「人工知能(AI)拡散規則」によるAIチップの対中輸出規制を支持する声明を発表し、高性能半導体が中国に密輸されているとの主張を展開した。

これを受け、米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)はこのほど、「中国は世界のAI研究者の半数を擁している。米国企業は技術革新に集中し、その挑戦に立ち向かうべきだ。ばかげた作り話をすべきではない」とアンソロビックの主張を一蹴した。

米政府は4月9日、NVIDIAに対し、AIチップ「H20」または同等性能のチップを香港とマカオを含む中国企業に提供する場合、輸出許可が必要になると通知した。この措置は、対象製品が中国のスーパーコンピュータに使用あるいは転用されるリスクに対処することを目的としている。さらに、米政府は同月14日、この許可要件は無期限に有効だと通知した。同社は、H20の対中輸出規制により55億ドル(8000億円)の損失を被る可能性があると明らかにしている。

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NVIDIAのAIチップは2023年から対中輸出規制の主な対象とされてきた。H20は規制の対象外となっていた唯一の中国向け製品で、「特別提供版」や「性能制限版」と呼ばれている。性能は同社の高性能AIチップ「H100」の3分の1にすぎないが、今のところ中国企業が調達できるAIチップとしては最も高性能だ。

中国の経済メディア「財経(Caijing)」は、米政府の新規制により、中国企業はより多くの国産AIチップを使用せざるを得なくなると報じた。現時点で最も広く採用されている国産AIチップは、ファーウェイの「Ascend 910」シリーズだという。

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*1ドル=約145円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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