テンセントが2019年第3Q業績を発表 売上高・純利益ともに市場予想下回る

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中国IT大手のテンセントは12日、2019年第3四半期(7~9月)の業績を発表した。売上高は前年同期比21%増、前期比9%増の972億3600万元(約1兆5100億円)で、市場予測の990億4400万元(約1兆5400億円)をやや下回った。純利益は前年同期比13%減、前期比16%減の203億8200万元(約3200億元)で、市場予測の235億3100万元(約3600億元)を下回った。非GAAPベースでの純利益は前年同期比24%増、前期比4%増の244億1200万元(約3800億円)だった。

ユーザー関連データでは、WeChat(微信)の月間アクティブユーザー数(MAU)は前年同期比6.3%増の11億5100万人となり、ミニプログラムのデイリーアクティブユーザー(DAU)は3億人を突破したが、インスタントメッセンジャ―QQのMAUは前年同期比8.9%減の7億3100万人となった。このほかコンテンツ事業の有料付加価値サービスの利用者数は前年同期比11%増の1億7100万人で、音楽サブスクリプションサービス利用者数は前年同期比42%増の3540万人、動画配信サービス「騰訊視頻(Tencent Video)」のサブスクリプションサービス利用者数は前年同期比22%増の約1億人となった。

同日の香港株式市場の終値で、テンセントの株価は0.85%下落し327.4香港ドル(約4600円)となり、時価総額は3兆1300億香港ドル(約43兆8200億円)となった。

ゲーム事業の売上高比率が29%減

テンセントの第3四半期の付加価値サービス事業の売上高は前年同期比15%増の506億2900万元(約7900億円)となった。そのうち、ゲーム事業の売上高は前年同期比11%増の286億400万元(約4400億円)で、総売上高に占める割合は29.42%にまで減少した。またソーシャルネットワーキングサービス事業の売上高は前年同期比21%増の220億2500万元(約3400億円)だった。

ゲーム事業の売上高のうち、スマートフォン向けゲーム事業の売上高は前年同期比25%増、前期比9%の243億元(約3800億円)だった。主に国内の主要ゲームの力強い業績と海外での売り上げ増によるものだが、一方でPCゲーム事業の売上高は前年同期比7%減、前期比2%減の115億元(約1800億円)にとどまった。

クラウド事業の売上高を初公開

決算報告では、フィンテックおよび法人サービス事業の売上高が前年同期比36%増の268億元(約4200億円)となっている。同事業の売り上げ増は主に決済サービスにおけるアクティブユーザー数および1日当たり平均取引件数の増加、さらにはクラウドサービスの各主要分野への普及によるものだ。

さらに、テンセントは今回の決算報告の中でクラウド事業の売上高を初公開しており、売上高は前年同期比80%増の47億元(約730億円)となっている。

テンセントは今年第1四半期に初めてフィンテックおよび法人サービス事業の売上高を単独で公開したが、同事業はテンセントにとってすでに第二の収入源となっており、総売上高に占める割合は24%に達している。

メディア広告収入が前年同期比28%減

テンセントは今年、広告事業での業務拡大を加速させており、今四半期の売上高は前年同期比13%増の184億元(約2900億円)となったが、総売上高に占める割合は20%と大きく変わらなかった。

今年の経済情勢全体の低迷により広告の需要は下がっているものの、ゲーム、教育およびEコマースなど特定分野でのニーズは強く、自動車関連広告の需要減少をかろうじて支えている。

具体的には、メディア広告収入が前年同期比28%減、前期比17%減の37億元(約570億円)と2期連続で減少した。

ソーシャルメディア広告およびその他の売上高は前年同期比32%増、前期比23%増の147億元(約2300億円)で、既存の広告インベントリ(表示回数)および露出量の上昇による増加となっている。またテンセント傘下の広告会社「騰訊広告(Tencent Ads)」による広告フォーマットの簡略化やさらなる動画広告インベントリ増加により、モバイル広告プラットフォームの収入は増加している。このほか、微信(WeChat)ミニプログラムにおけるポップアップ広告や動画内広告による収入も売上増に貢献した。

コンテンツプラットフォームにおいては、WeChatのソーシャルメディア広告が依然として大きな影響力を有しており、今期の売上高にソーシャル広告が占める割合は79.89%に上った。ソーシャルメディア広告は引き続き広告収入の主力となるだろう。
(翻訳・神部明果)

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