中国大手EC「京東集団」2019年第3Q決算、地方ユーザー獲得や物流強化で売上高2兆円に

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15日、中国Eコマース大手「京東集団(JD.com)」が今年第3四半期(7~9月)決算を発表した。売上高(ネット売上高)は前年同期比28.7%増の1348億元(約2兆1000億円)で、市場予想の1284億元(約1兆9000億円)を超えた。また、京東自身が1260億~1300億元(約1兆9600億~2兆200億円)とした売上高予想も超えた。

売上高の伸び幅は4四半期連続して30%に届かなかったが、今四半期は第1四半期の20.9%、第2四半期の22.9%に比較して好調な伸びを見せ、過去5四半期では最大の伸び幅だった。Non-GAAPベースで普通株主に帰属する純利益は前年同期比160.6%増の31億元(約480億円)だった。

ユーザー数に関しては、9月30日までの12カ月間におけるアクティブユーザー数が3億3440万人に上った。前四半期の3億2130万人から1300万人伸びている。モバイルユーザーに関しては、今年9月時点の月間アクティブユーザー(MAU)が前年同期比36%増に上った。

昨年第3四半期、京東は設立以来初めてユーザーの伸び幅が前期を割った。今年に入ってから徐々に回復し、直近3四半期はそれぞれ前期比550万人増、1080万人増、1300万人増となっている。今四半期は過去7四半期で最大の伸びだった。

今四半期のユーザーの伸びは、地方市場戦略が功を奏したことによる。同社は第3四半期終わりに地方をターゲットとしたソーシャルコマースプラットフォーム「京喜(JXI.JD.COM)」を正式ローンチした。結果、今四半期に獲得した新規ユーザーの7割以上が地方在住者で、彼らが同社にとって今後の成長をけん引する重要な存在となりそうだ。地方ユーザーの間では、家電製品や通信機器など単価の高い商品、食品や健康関連商品の注文が一~二級都市以上に増加している。

今回発表された決算報告では、サプリなど健康関連商品に特化したECプラットフォーム「京東健康(JD HEALTH)」が11月に優先株式発行によるシリーズAの資金調達を完了し、評価額が70億ドル(約7600億円)に達したこともわかった。

物流プラットフォーム「京東物流(JD LOGSTICS)」は今四半期、他社向けサービスでも比較的速い成長を見せた。決算報告によると、京東物流は20万社以上の顧客を抱え、社外からの収入が物流グループの収入全体の40%近くに達している。

マーケティング、物流、テクノロジーなどのサービスが好調で、京東のサービス事業によるネット売上高は前年同期比47%増の160億元(約2500億円)に達した。これはネット売上高全体の11.9%に相当する。

今四半期は「千県万鎮24小時達」とする物流戦略も正式に起動した。地方都市や県、郷鎮などの地方自治体でも受注後24時間以内に商品配達を完了する体制を今後1年以内に築く計画だ。

京東集団は9月30日時点で20万人以上の従業員を抱え、昨年より2万5000人増えている。

決算報告発表前、米JPモルガン・チェースは京東の目標株価を42ドル(約4600円)に引き上げ、その格付けも「買い」へ変更している。また、京東の第3四半期のNon-GAAPベース純利益を市場予想の30%超えとしていた。

決算報告を受け、京東の株価は取引開始前時点で5.69%上昇し、35.48ドル(約3900円)となった。
(翻訳・愛玉)

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