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スタートアップから大手企業まで、中国メーカーが相次いでAI搭載のスマートグラスを発表し、この新興市場での覇権争いが熱を帯びている。「百鏡大戦」とも呼ばれるこの熾烈な競争に、ついにテック大手のアリババ(阿里巴巴)も参入する。
同社が近く、自社開発した初のAIスマートグラスを発表すると報じられた。今回投入されるAIスマートグラスは、ディスプレイを搭載しない「AI音声アシスタント型」と、ディスプレイを搭載する「AI+AR型」の2バージョンが用意されているという。音声アシスタント、音楽再生、通話、リアルタイム通訳、会議録音といった基本機能を備えるほか、アリババのサービスエコシステムとの連携も予定されており、地図や決済、ショッピングなどの機能にも対応する見込みだ。
ハードウェア面でも申し分のないスペックで、米Metaのスマートグラス「Ray-Ban Meta」を上回る性能を目指す。搭載チップは、クアルコムのSnapdragon AR1と、中国の恒玄(Bestechnic)製BES2800のデュアルチップ構成となる。
現在中国市場に出回る多くのAIグラスは、技術的な制約から活用シーンが限られている。バッテリーの持続時間、装着時の違和感、視力矯正との両立の難しさなどが課題で、いまだに「愛好家向けガジェット」の域を出ていない製品も多い。また、製造や出荷の遅れに直面しているメーカーも少なくない。
機能面においても、カメラによる画像認識や翻訳、ナビゲーション、議事録作成などをうたっているものの、多くはまだ粗削りな段階にある。
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こうした状況は、販売実績にも表れている。グローバル市場ではMetaのRay-Banシリーズが3四半期で累計100万台超を販売したが、それ以外のメーカーは開発の初期段階にとどまっている。調査会社RUNTOによると、2025年1〜3月期における中国国内のスマートグラス(ARグラス含む)の販売台数は約11万6000台で、そのうちAIカメラ機能を備えた製品はわずか1万6000台にとどまった。
こうした中、特に注目を集めているのが、6月26日にスマートフォン大手のシャオミ(小米科技)から発表されたAIグラス「Xiaomi AI Glasses」だ。Ray-Ban Metaに対抗する製品として投入され、重さは約40g。オープン型イヤホンと12メガピクセルの一人称カメラを搭載し、録画やライブ配信、ビデオ通話が可能。また、音声操作での写真・動画撮影や、カメラによる物体認識、テキスト翻訳、QRコード決済(音声で「支払いを確認」と発話が必要)にも対応する。
ECプラットフォーム・京東(JD.com)公式ストアによると、発売から5日間ですでに1万台以上を販売し、淘宝(Taobao)でも4000台超の販売実績を記録しているという。
(翻訳:36Kr Japan編集部)
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