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2019年第3四半期の世界のスマートフォン出荷台数ランキングが発表された。香港の市場調査研究機関カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチが先月下旬に発表したもので、上位6位までは大方の予想通り、サムスン、ファーウェイ、アップル、シャオミ、OPPOとvivoだった。注目に値するのは、中国のスマートフォン大手OPPO系列の独立ブランド「realme」が7位に躍進したことだ。第3四半期におけるrealmeの出荷台数は1000万台に達し、前年比800%増となった。
realmeの主な出荷先はインドだ。カウンターポイントの報告によると、インドにおけるrealmeの市場シェアは去年の3%から16%に急増した。この数字は同系列のOPPOブランドを超えており、競合他社である中国大手vivoとの差をわずか1%まで縮めた。vivoが5年をかけてようやくインド市場で足場を固めたのに対して、realmeはわずか1年でvivoと比肩するレベルまで成長し、ライバル社から警戒されている。さらにOPPOと合算した場合、インド市場における占有率は24%となり、サムスンを上回り、1位のシャオミのわずか2%下となる。
中国国内のスマホ市場は安定期に入ったといえる。ファーウェイが市場の約半分を占め、iPhone人気も再燃しつつある中で、OPPO、vivoとシャオミといった国内ブランドに残されたパイはますます小さくなり、自然と海外市場が彼らの今後のターゲットとなる。インドは新興国の中でもっとも人口が多く、競争がもっとも激しい市場でもある。現在、インドのスマホ市場のトップはシャオミだが、その市場シェアは第3四半期に1%減少し、2位のサムスンも7%減となった。OPPOとvivoが著しい成長を見せる中、将来のインド市場でプレイヤーが大きく入れ替わる可能性は高く、OPPO系列の市場シェアがシャオミを上回るのも不可能ではない。
一方で、中国国内市場におけるrealmeの市場シェアはまだ高くない。海外市場だけに注力した場合、ソフトウェア関連の収益が得にくいといった問題もある。
現在、ハイエンド市場と言われるヨーロッパでは、中国企業として市場の一角を占めることができたのはファーウェイだけだ。一方で、東南アジアとインドではコストパフォーマンスが依然として重要視されるため、realmeが著しい成長を遂げることができた。高コスパ商品で市場シェアを獲得するのは初期的な戦略としては有効であるが、市場の参入障壁が低いため、競争も激しくなる。今後ハイエンド市場で一席を占めることができなければ、すぐ新しいブランドに追い越されるリスクがある。
OPPOとシャオミはすでにヨーロッパ市場への進出を始めた。ただし、ハイエンド市場で勝ち残るためには、通信キャリアとの関係構築が難しい課題になりそうだ。
(翻訳・田文)
※冒頭写真はRealme公式サイトより
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