ライブ配信と芸能人 同じブランドでより多くの商品を販売したのは?

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中国で年間最大のネット通販イベント「双11(ダブルイレブン)」の予約販売で値引率が大きい商品といえば、化粧品だろう。

消費者は李佳琦(Austin)や薇婭(viya)などの超有名ライバー(ライブ配信者)が予約販売のために繰り広げるライブ配信バトルでその勢いを体感したはずだ。アリババ傘下のECモール「天猫(Tmall)」が双11の予約販売を始めた当日深夜、李佳琦はブランド化粧品の自身限定の優待価格を打ち出した。「エスティローダーのアドバンスナイトリペア、1点購入でもう1点無料!オリジナルシルクスカーフもプレゼント!」ライバルの薇婭も譲らず、予約販売の初回ライブ配信で40を超えるブランド商品を売りさばいた。ほとんどの商品に「◯点購入で◯点プレゼント」の宣伝文句を使っている。

ブランド商品は一般的には価格プレミアム(顧客があるブランドに対して他の商品より余分に支払ってもよいと考えている価格の部分のことをいう)という戦略を取り、簡単には値下げをしない傾向があるが、ライブコマースがもたらした強力な販促効果と在庫削減効果を前にして妥協せざるをえなかったようだ。天猫の双11予約販売のライブ配信初日、李佳琦のライブ配信では、用意されていたエスティローダーのアドバンスナイトリペア41万セットが完売。これは15秒に1つ売れた計算だ。予約販売開始25分で取引額は約5億元(約77億円)に達し、昨年同日の1日の取引額を超えた。

ライブコマースにより超人気商品を割引価格で販売する手法は、ブランドの販促戦略として定番化しつつあるが、エスティローダーやエリザベスアーデンのような高級化粧品ブランドからすれば、ライバーたちの「1点購入でもう1点無料」という宣伝はブランド側が提供できる最大限の優待価格だ。莫大なアクセス数と取引額をもたらすことはできるが、ライブコマースを使った割引価格による販促はブランド側が好む方法ではない。販売量だけでなく、ブランドイメージやブランドポジショニングを維持しつつ価格プレミアムを獲得したいというのがブランド側の本音である。

そのため、ブランドが好むマーケティング戦略は、依然として、人気芸能人をイメージキャラクターに起用するという手法だ。

双11予約販売イベントの前日、エスティローダーは今人気爆発中のトップ芸能人である李現(Li Xian)と肖戦(Xiao Zhan)と契約を結んだ。李現はアジア太平洋地域のスキンケア・コスメのイメージキャラクター、肖戦はアジア太平洋地域のコスメ・フレグランスのイメージキャラクターに選ばれた。

ライブコマースと異なるのは、人気芸能人を起用することで、価格の割引を考慮する必要がなくなるばかりか、時には大きな価格プレミアムももたらされることだ。例えば芸能人のサイン入り写真やマスコットなどのタイアップ企画は、ファンにとっては割引と同様の意味がある。

双11をはじめとする大型販促イベントは、人気芸能人の商業価値を図る場であると同時に、芸能人がブランドに対し自身の実力を示すための舞台になりつつある。ファンもまた自分が好きな芸能人の販促力を証明すべく、ここぞとばかりに全力で応援する。

そうしたファンの努力が実り、双11における人気芸能人たちの戦果は上々だ。肖戦が宣伝したエスティローダーの口紅は、1時間の取引額が4000万元(約6億2000万円)を超え13万本を売り上げた。通称「口紅王子」と呼ばれる李佳琦でさえ感嘆する販促力である。

天猫や「京東商城(JD.com)」などの主力ECプラットフォームの協力のもとで、ブランドは新たな販促活動を進めている。一方では人気ライバーがライブ配信で提供する割引価格を利用し、販売量を確保すると同時に、他方では人気芸能人をイメージキャラクターに起用することでブランドイメージを維持し、利益幅を確保する。最終的には両者のバランスをうまく取りつつ、ブランドイメージと売り上げの両方のメリットを享受したいと考えているようだ。
(翻訳:田文)

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