業績不振に株主の株式売却 苦戦の大手スーパー永輝超市がQ3決算発表

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中国のスーパーマーケット大手、「永輝超市(Yonghui Superstores)」がこの5年間で初めて第3四半期(7~9月)決算を発表した。売上高は前年同期比20.6%増の635億4300万元(約9800億円)、純利益は51.1%増の15億3800万元(約240億円)だった。好業績が好感され、決算発表翌日の10月31日は株価が一時、前日比3%高を付けた。

傘下の「永輝雲創科技(Yonghui Yunchuang)」に関する情報もほどなくして伝わった。企業情報サイト「天眼査(Tianyancha)」によると、投資ファンド「今日資本(Capital Today)」が保有株式の半数を永輝雲創の筆頭株主である張軒寧氏に売却。持ち株比率は今日資本が4.8%、張氏が34.4%となった。今日資本は売却の理由を明らかにしていないが、7月に増資を行ったばかりの永輝雲創にとっては、将来性への不安を感じさせる出来事となった。

永輝超市はこの5年間、第3四半期決算を1度も発表していなかったが、今年は意外なことに10月22日に決算見通し、同30日に第3四半期決算報告を発表した。同社はイノベーション事業の不振とライバルの台頭により、この2年間は苦しい日々を送ってきた。株価は18年初めのピーク時(12元=約186円)から30%近く下落している。

永輝超市の株価チャート 投資情報サイト「雪球(Snowball Finance)」より

前年同期は、連結対象だった永輝雲創が2億8000万元(約43億円)の損失をもたらし、決算の足を引っ張った。だが、今年は連結対象から外れたことで永輝超市の最終損益は実質的に「粉飾」された。インセンティブ報酬費用の大幅な減少や生鮮食品BtoBプラットフォーム「彩食鮮」の分離に伴う投資利益の計上も増益要因となった。

この半年、永輝超市は何度も苦汁をなめてきた。カルフール中国の買収では家電量販大手「蘇寧易購集団(Suning.com)」に敗れ、メトロ中国の買収を巡っては小売り大手「物美科技集団(WUMART)」に敗れた。一方、第3四半期の新規開業は34店、新規契約は58店と、前2四半期に比べ出店ペースは加速している。新業態の小型店舗「mini店」も新たに112店を開店。1~6月の415店と合わせて527店となった。

今日資本は保有株式を筆頭株主の張氏に売却したことで、第4位株主から第5位株主となった。16年に永輝雲創の増資に参加し、張氏と1億5000万元(約23億円)ずつ出資。永輝雲創が7月に再び10億元(約150億円)の増資を行った際も持ち株比率に応じて出資した。第2位株主の永輝超市の出資額が2億6600万元(約41億円)だったことから、今日資本は9600万元(約15億円)を出資したとみられる。その今日資本が永輝雲創の持ち株比率を減らしたことは悲観的に受け止められた。投資家たちは「業績不振が主な原因」との見方を示している。

永輝雲創の株主構成 天眼査より

永輝超市の決算報告を見ると、永輝雲創は16年以降赤字が続き、その額は年々膨らんでいる。16年の赤字額は1億1600万元(約18億円)、17年は2億6700万元(約41億円)、18年は9億4500万元(約146億円)だった。19年の中間決算では6億2000万元(約96億円)となり、前年同期の3億8800万元(約60億円)から赤字が拡大した。

永輝雲創は、テクノロジーを活用した次世代スーパー「超級物種(Super Species)」をはじめ、「永輝生活店(生鮮食品+コンビニエンスストア)」と「永輝生活衛星倉(中小配送倉庫からの宅配)」を展開。3事業とも強力なライバルの猛追に直面している。永輝超市が今すぐ永輝雲創を手放す確率はかなり低いとはいえ、短期で黒字化させる可能性もほぼゼロに近い。ただ、ポジティブ材料もある。今日資本が手放した株を創業者の張氏が引き継いだことは、永輝雲創の先行きに対する自信の表れといえるだろう。
(翻訳・鈴木雪絵)

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