「敏越科技」、溶接ロボットにAIの「目」と「脳」を

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「敏越科技」、溶接ロボットにAIの「目」と「脳」を

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いまロボットが各業界で人間の代わりとなっているが、溶接も例外ではない。

溶接の工業分野における重要性は言うまでもないが、その現場は多くが劣悪な環境で、煙やちり、アーク光、スパッタなどが人体に深刻な影響を及ぼす。労働者は長時間の研修と経験の蓄積によって初めて求められる技術レベルに達することができるため、溶接に従事する若者は減少し続けており、多くの企業が人材不足や高コストなどの問題に直面している。このような状況のもと、産業用ロボットが溶接業界で使用される場面がますます増えている。

現在、中国国内では50万台を超える産業用ロボットが使用されており、そのうち35%以上を溶接ロボットが占めている。将来的には少なく見積もっても溶接ロボットの総数は200万台を超えるだろう。

しかし、溶接ロボットは実際の生産過程の中で二つの課題に直面している。一つ目は溶接ロボットのフレキシブル性、スマート化のレベルが低いことだ。製品のサイズが規格化されていなかったり誤差がある場合に、ロボットは部品の変化を自動識別することができず、溶接経路がずれるなどして、最終的には製品の品質が低下したり、廃棄処分になってしまうこともある。二つ目はプログラミングの効率が低いことだ。従来の手動でのティーチングでは熟練のオペレーターがティーチングペンダントを用い、現場でロボットの位置を記録することが必要だった。このような方法は効率が悪く、製品の質もオペレータの技術レベルに左右されることになる。

上記を解決するため、「敏越科技(MinyueTech)」は3Dレーザー視覚センサー「SmartEye」を開発、ロボットに「目と脳」を装備した。具体的には、溶接ロボットに視覚センサーを搭載、AI技術も合わせて利用することで、溶接の過程で視覚からのフィードバックを通してリアルタイムでロボットの軌道を調整する。

敏越科技のソリューションの強みは以下の三つだ。

第一に、SmartEyeはストラクチャード・ライトを用いて3D測量を行う。視覚とディープラーニングを結び付けることで、複雑な溶接の環境下でも各種の部品と溶接の継ぎ目の特徴を正確に識別できる。第二に、センサーはエッジコンピューティングを採用。FPGAをメインの制御チップとして使用し、ハードウェアのアルゴリズム最適化を通して消費電力を抑えると同時にセンサーの処理速度を向上させている。海外の類似製品と比べて、SmartEyeはセンサーの精度や対応する速度で強みを持つ。第三に、同社の製品は基礎的な部分から開発できるため、新エネルギーや重機、建築鋼構造などの各業界に合わせて特定の機能を開発することができ、顧客企業が抱える問題をピンポイントで解決することができる。

そのほか、同社はオフラインプログラミングソフトウエアである「RobotSmart」を開発、産業用ロボットの高速プログラミングに用いられている。

ディスクリート型製造業は生産プロセスのオートメーション化の度合いが低く、連携が取りづらく、製品の再加工率も高い。そのため、同社の鹿龍CEOは精密溶接の市場ニーズは大きいと考えている。同社の製品は視覚センサーの画像解像度や処理速度において強みを持つ。特に反射材を溶接する作業においては、ロボットが光の反射のために位置情報が把握できなくなるという問題を防ぐことができる。

現在、同社の顧客は主に製造業でも船舶、重工業、自動車部品、軍需産業、自動車メーカーなどだ。同社の標準化された製品は産業用ロボットの世界4大企業(スイスのABB、独KUKA、安川電機、ファナック)や中国の「新松(SIASUN)」「広州数控(GSK)」「歓顔(Honyen)」など多くのメーカーのロボットに対応している。

敏越科技は2016年2月に設立。創業メンバーは清華大学と華中科技大学の出身者で、10年以上開発に携わった経験をもつ。同社は視覚とAIなどの技術を伝統的な製造業に応用することに特化している。

社員は現在20人余りで研究開発メンバーが60%を占めている。同社は2017年より黒字化を実現。年間販売額の平均成長率は100%以上であり、2019年の売上高は数千万元(数億円)を見込む。現在「インダストリー4.0」とAI+IoTの流れの中で、同社は3D視覚センサー分野の研究開発に力を入れるとともに、引き続き溶接業界での応用にも注力するとしている。
(翻訳・山口幸子)

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