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スマホのグローバル市場でサムスン、ファーウェイ、アップルに次ぐ世界第4位のシェアを誇る中国大手のシャオミ(小米科技)が、12月9日に東京都内のホテルにて日本市場向けの製品発表会を行った。
シャオミのスマホはこれまではコストパフォーマンスの良さで世界から注目を集めていたが、近年は最先端技術を用いた単価の高いハイエンドモデルも売り出している。本日の発表会で、東アジア担当ジェネラルマネジャーのSteven Wang氏は、まず、今年11月に中国で発売された世界初の1億画素のカメラを搭載したスマホの「Mi Note 10」の販売を発表した。
Mi Noteシリーズは、シャオミの世界で9番目の研究開発センターである日本のカメラR&Dセンターで初めて開発された製品であり、1億800万画素の広角レンズ、500万画素の望遠レンズ、1200万画素の望遠レンズ、2000万画素の超広角レンズ、マクロレンズと異なる5種類のレンズを備えている。
先月、カメラ性能の科学的な評価指標である「DXOMARK」は、シャオミの「Mi CC9 Pro」(Mi Note 10 Proの中国国内版)にファーウェイのMate30 Proと並ぶ世界最高のスコアをつけた。
Mi Note 10(6GB+128GB)の日本販売価格は52,800円で、Proは64,800円であると発表された際、競合他社の商品より半分も低い価格に会場のシャオミのファンと報道関係者は一斉に驚嘆の声をあげた。
シャオミはスマホメーカーというイメージが強いが、実は現在ではミニセグウェイ、掃除ロボット、テレビ、エアコン、スマートスピーカーなど次々に家電を販売し、「IoT企業」へと進化を続けている。
本日の発表会では、Mi Note 10シリーズのほか、Mi band4(3,490円)、Mi IH 炊飯器(9,999円)、Mi 18W急速充電パワーバンク(1,899円)、Xiaomiスーツケース(7,990円)も続けて発表され、市場における同系列の商品と比べるとどれも驚異的な安さだった。ちなみに、これらの商品は全てアマゾンでの予約が可能となっている。
シャオミの海外進出は比較的順調ではある。2014年にインド市場にデビュー後、コスパに優れた低価格帯のスマホで爆発的な人気を集め、わずか3年間でサムスンを抜きインドにおけるスマホのトップメーカーとなった。
市場調査会社Canalysが発表した2019年第3四半期欧州市場のスマートフォン出荷台数データによると、シャオミは販売好調で前年同期比73%増の550万台を出荷した。また、スマートフォンに限らず、同社のスマート家電は欧州でも人気だ。2018年末時点で旗艦店の「 Mi Store(小米之家)」を含め、50店舗出店している。
なぜこの時点で日本に進出してくるのかという記者の質問に対して、Steven氏は、日本のユーザーはニューテクノロジー好きで、シャオミの良さをわかってくれる、また2020年には日本でも5Gの環境が整うから、ちょうどいいタイミングだ、と複数の理由を挙げた。
しかし、携帯市場において日本市場の環境はそれほどいいものではない。国内市場はアップル、サムスン及びソニーなどの国産ブランドでほぼ飽和状態となっている。また、対抗相手になる(であろう)中国メーカーのファーウェイやOPPOとどのように差別化するのかも注目される。
一方、日本のスマート家電市場は見通しが明るい。野村総合研究所(NRI)のレポートでは日本のIoT市場は今後高い成長率を続け、2022年には3兆円の規模を超えると予測されている。この波に乗って、ロープライス戦略を推進していくシャオミには、それなりの競争力があるだろう。ただ、Mi store(小米之家)を今後日本でも展開するかどうか、Steven氏は明らかにしてない。
発表会の最後に、「日本は特殊な市場だ」とSteven氏は語った。日本市場にうまく溶け込むにはしっかり商品のローカライゼーションをする必要がある。同社は時間をかけながら、今後より多くの製品を日本市場に投入する予定だと述べた。
シャオミの「価格に見合った価値」が日本にどんな変化をもたらすのか期待できる。
(文・Ai)
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