アリババ傘下物流プラットフォーム「菜鳥」、杭州―モスクワ間航空貨物運輸路線を開設

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中国人のみならず、ロシア人もネットショッピングに夢中になっているようだ。

10月30日、中国商品を輸送する「菜鳥号」貨物機が杭州から離陸し、12時間後にモスクワ空港に着陸した。これは初めての杭州ーモスクワ間EC貨物便だ。

当該貨物便はアリババグループ傘下の物流プラットフォーム「菜鳥網絡(Cainiao Network)」(以下、菜鳥)が運営している。1日1~2便を定期的に運行し、「双11(ダブルイレブン)」のピーク時は1日2便運行するという。運行頻度が最も多い中露EC貨物コースは、中露間の越境EC物流の効率を大幅に高めた。以前は注文から1カ月以上待たなければならなかったロシアの消費者が、10日以内に中国商品を手に入れることができるようになったのだ。

アリババのECプラットフォーム「全球速売通(AliExpress)」は2014年にロシアでローンチされ、現在、ロシアの消費者に愛用されている。統計データによると、ロシアでは、6人に1人がAliExpressを使用しているという。

これまで、消費者がAliExpressのサイトで中国商品を購入する場合、商品は通常の国際小包として郵送され、送料は平均で5元(約80円)と安いが、届くまでに1カ月以上かかっていた。

菜鳥はスマート技術を利用し、一定期間内の同じ消費者の注文内容を統合し、輸送方法を航空運輸に変更した。その結果、送料は変わらず所要時間が10日間に短縮された。消費者がオンラインで商品を追跡することも可能となり、消費体験が大幅に改善された。現在、菜鳥によりロシアへ発送する商品の40%超が無料で航空運輸に更新されているという。

現在、ロシアは中国の越境ECの最大な輸出先となっている。アリババのデータによると、菜鳥だけで、毎月中国からロシアへ配送される貨物は1000トン強で、貨物便40便以上に相当する。昨年1年間で、ロシアの越境ECの海外注文は3億件を超えた。そのうち、90%が中国への注文で、1日平均で50万の小包が中国からロシアへ発送されている。

一般の空輸チャーター便と異なり、ECは輸送物の数が多く、かつほとんどがミニサイズだ。また、配送効率に対する消費者の期待が高く、通関方式も一般貨物と異なる。よって、通常の空輸を利用し他の貨物と混載すると、配送効率に大きな影響が生じる。

国際物流の課題を解決するために、ここ数年、菜鳥は大陸間物流に力を入れている。香港、鄭州、上海等においてEC物流専用チャーター便をスタートした。中露コース以外に、香港―ベルギーコース、オーストラリアEC専用海上コース等もある。

菜鳥の総経理趙剣氏によると、今年のダブルイレブン期間中、菜鳥は100超のチャーター便で欧州と東南アジアの都市へ配達を行ったという。今後は、グローバル物流チェーンを更に拡大し、グローバル越境EC配送の物流ネットワークの主幹を構築し、224の国と地域をカバーする予定だという。

(翻訳:小六)

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