スマホ販売台数世界トップのサムスン、中国で振るわない理由とは

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11月上旬の情報によれば、サムスンは中国の従業員の3分の1に当たる約2000人以上のリストラを実施し、全国にある11の支社および事務所も最終的に5カ所に統合する予定であるという。主に販売・マーケティング部門に対する措置であり、リストラはスマートフォン事業において重点的に実施されるとのことだ。この情報が報じられた当日の午後、同社はリストラの目的が中国における競争力向上に向けた業務調整であり、中国の5G市場における急成長を推進するためのものだと公式に回答した。

2013年、サムスンのスマートフォンの販売台数は中国トップを誇り、市場シェアは20%にも達していた。6年後の現在、中国での第2四半期の総出荷台数はわずか70万台、また市場シェアは0.7%まで激減している。

サムスンは中国と海外市場では全く異なる境遇に立たされている。市場調査会社Canalysのデータによると、今年第3四半期のサムスンの出荷台数は、前年同期比11%増の7890万台と世界第一位の座を守った。ファーウェイが6680万台で第二位につけている。

サムスンはなぜ中国市場を失う結果に陥ったのだろうか。

時代は変わったが、サムスンは変われなかった

IT専門調査会社IDCのデータによれば、サムスンは2013年第4四半期に19%の市場シェアでトップとなり、これにシェア13%のレノボ、11%の「酷派(Coolpad)」、10%のファーウェイが続き、5位のアップルのシェアはわずか7%だった。

当時のアンドロイド市場においては、AMOLEDディスプレイを自社生産できるサムスンが、ハードウエアに関して他のメーカーとは比較にならない強みを持っていた。

同社は2013年、5インチのスーパーAMOLEDディスプレイを「Galaxy S4」に搭載したが、これは当時の最新iPhoneのディスプレイサイズを上回っていた。また5.7インチのスーパーAMOLEDディスプレイを4K動画の撮影が可能な「Galaxy Note 3」に搭載した。さらに同年10月には、世界初の曲面ディスプレイを搭載した「Galaxy Round」をローンチした。この曲面ディスプレイの重さはわずか5.2g、厚さは0.12mmで、曲率半径は400mmに達した。

サムスンのGalaxy S4

Galaxy S4の発売当日の予約価格は5199元(約8万円)、またGalaxy Note 3の最低価格はアップルのiPhoneを超える5399元(約8万4000円)に設定されていた。

2013年の中国の一人当たり可処分所得はわずか1万8311元(約28万4000円)で、大勢の人々が5000元(約7万8000円)以上のスマートフォンを購入することは望むべくもなかった。調査会社Strategy Analyticsのデータによると、同年のスマートフォン市場の成長は、中国やインドなどの新興市場の廉価なアンドロイド機種によりけん引された部分が非常に大きく、こうした機種の価格は通常150ドル(約1万6000円)以下だったという。またこの市場は「山寨機」と呼ばれた模倣携帯が席巻していたが、その後あっという間にシャオミ(小米)に取って代わられてしまった。

そのわずか数カ月後、サムスンは中国市場のトップの座をシャオミに明け渡すことになる。2014年第2四半期、シャオミの中国でのスマートフォン出荷台数は、前年の440万台から1500万台に激増した。一方、サムスンの同期の出荷台数は1320万台で、前年の1550万台から減少となった。

2017年には、シャオミがインド市場で初めてサムスンを追い抜き、同社が長年守ってきたシェアトップの座を奪い去った。

だがサムスンもこの状況を黙って見過ごしていたわけではない。同社は2014年9月に低価格ラインの「Galaxy Alpha」を発表し、3999元(約6万2000円)の販売価格でシャオミへの反撃を試みた。しかし、同年にローンチされたシャオミの「Mi 4」の価格はなんと1999元(約3万1000円)だった。Mi 4はGalaxy Alphaよりディスプレイサイズやメモリ容量が大きい上にカメラの画素数も上回っており、スマートフォンに微信(WeChat)やゲーム程度の機能しか求めない消費者にとって、サムスンの機種を選ぶ理由はどこにも存在しなかった。

「Mi 4」発表会に登壇するシャオミ創業者の雷軍氏。写真提供:JASON LEE/REUTERS

英研究機関DFK Internationalのリポートによれば、2016年第1四半期~2018年第4四半期に、中国の4000元(約6万2000円)以上のスマホ市場におけるサムスンのシェアは14%から3%に、またアップルのシェアも84%から68%に低下した反面、ファーウェイのシェアは2%から20%にまで増加したという。

サムスンのスマートフォン事業における利益率の追求が、中国市場での度重なる価格設定ミスにつながった。さらに、長らく解決されなかった品質問題や、バッテリーの爆発・発火問題が中国における悪評をさらに加速させた。この6年間に、中国のスマホ市場とスマホユーザーは大きく変化したが、サムスンは元のサムスンのまま、生まれ変わりに失敗したようだ。

現在、サムスンは海外市場において今なおトップシェアを保っているものの、ファーウェイによってさらに急進的な海外戦略に出ることを余儀なくされたシャオミ、OPPO、vivoがすでに海の向こうに視線を向けている。シャオミのサブブランド「Redmi」は欧州のキャリア市場に参入し、OPPOは組織再編を実施して中国エリアと海外エリアを一つのグローバル市場として扱うことを決めたほか、「Reno 2」の初ローンチ場所として中国ではなくインドを選択した。今後、さらに厳しい戦いがサムスンを待ち受けている。
(翻訳・神部明果)

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