旅の相棒はチャットボット、AIスタートアップ「TravelFlan」のおもてなし

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旅行の特定シーンでのAIチャットボットサービスを手掛ける香港企業「TravelFlan」がシリーズAで700万ドル(約7億6700万円)を調達した。リードインベスターはLazard Korea傘下のファンド「SPK AI Travel Tech」。コ・インベスターは「線性資本(Linear Venture)」、「Construction-Radiant Tech Ventures」、香港のファンド「ITVFC」、「Artesian VC」、「SOSV」および同社傘下のアクセラレーター「中国加速(Chinaccelerator)」。同社の資金調達はこれが3度目となる。

2015年創業のTravelFlanが2018年に中国本土市場への進出を果たした際、中国のオンライン旅行業界の統合はすでに終わっていた。さらに業界内では低利益率・高コストが常態化しており、同社がやみくもに参入すれば不毛な資金投入戦に陥ることは必至だった。このため、TravelFlanは利益率の高い「海外旅行と生活サービス」というニッチ市場をターゲットに、テクノロジーで旅行エコシステムに切り込む手段に出た。

同社は、AIチャットボットのほか、提携企業のリソースを融合するワンストップ型管理システムの技術を有しており、在庫管理、データ管理、流通、顧客分析などのサービスを提供する。同社によれば、すでにKLOOK、マリオット・インターナショナル、「途牛旅游網(Tuniu)」など100社以上の旅行コンテンツ関連企業や商品サプライヤーと提携しているという。

TravelFlanの事業は、現時点で法人向けと個人向けに二分される。法人向け事業の収益は主に上述の技術の一時的な開発費、毎月の利用料金および管理システム内のレベニューシェアと広告費による。同社の企業顧客は、チャイナ・モバイル(中国移動)、サムスングループ、SITA、香港航空などで、サムスン製スマートフォンのAIアシスタント機能「Bixby」に対しては、AI、音声、製品システムなど複数面でのサポートを提供している。

分散した海外旅行リソースを統合する管理システムは、企業が顧客に提供するサービスシーンの幅を広げる役割を果たす。「ホテルが我々の管理システムを使用することで、顧客の旅行先での交通手段、食事、買い物に関するニーズを満たすことができる。例えばチャットボットを使えば、旅先で飲食店を探し、料理の注文を手助けし、店員とのやり取りの通訳までしてくれる」と同社CEOのAbel Zhao氏は話す。

TravelFlanにとって、顧客企業はクライアントであると同時に集客源ともなっている。顧客企業と共同でPR活動を実施することにより、低コストでのブランドプロモーションが実現するのだ。サムスングループはスマートフォンへのプリインストールのほか、TravelFlanに対し毎月数百万本のショートメッセージ枠を提供している。またチャイナ・モバイルの海外旅行サービスとの高度な提携により、夏季休暇中のピーク時期に300万元(約4700万円)のPR予算を獲得した。

一方、同社の個人向け事業では自社アプリを開発しておらず、微信(WeChat)のミニプログラム、Whatsapp、Facebookのメッセンジャーを通じてサービスを提供している。全シーンのカバーを目指すにあたり、同社が目指すのは生活関連サービスをワンアプリに集約した「美団点評(Meituan-Dianping)」の海外旅行版だ。Zhao氏によれば、旅行は相対的に頻度の低いニーズであり、日常関連サービスを手掛けてこそユーザーの定着率を上げられるのだという。

AIチャットボットは、個人の自由旅行における事前計画をアシストすると同時に、言語の問題を含む旅行中の各シーンをサポートしてくれる存在でもある。ユーザーはOTA(オンライン・トラベル・エージェント)、口コミサイト、モビリティといった複数のアプリケーションを行ったり来たりすることなく、TravelFlan一つで電車の時刻表確認、映画チケットの購入、フードデリバリーの注文などさまざまなサービスが利用できる。Abel氏によれば、サービスの6~7割はすでにTravelFlan内で実現でき、今後はこの割合を9割まで引き上げる予定だという。

現在、TravelFlanの法人向けおよび個人向け事業の割合は8.5対1.5で、各国のユーザーの割合は中国が7割、韓国が2割、東南アジアが1割となっている。今後は一般顧客のプラットフォームへのさらなる定着を目指し、上記の割合を7対3にまで増やしたい考えだ。
(翻訳・神部明果)

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