滴滴(DiDi)のライドシェアサービス再開 安全性重視だが顧客体験悪化で不評

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営業停止から449日、配車アプリの「滴滴出行(Didi)」のライドシェアサービスが11月20日9時より、中国の常州、太原とハルピンの3都市で試験的に再開された。

今回の再開は目立たない形で行われ、以前のライドシェアのドライバーたちも報道経由で知ったほどだ。乗客とドライバーからの情報によると、さまざまな変化があったという。

ユーザー登録:乗客にも安全テストが必要となり、ドライバーの登録ページでエラー頻発

ライドシェアサービスのアプリ画面と宣伝

乗客が初めてライドシェアサービスを利用する際の手続きが、以前に比べやや煩雑になった。まずは安全テストがあり、実名情報の認証、安全確認および乗客安全知識教育がある。実名情報の認証には顔認証が必要で、プラットフォーム側では写真との照合も行う。安全確認については、ユーザーの許可を得た上で、自動録音をする。また、安全知識教育には6問の設問があり、事前に一定の安全知識(例えば実名ベースの登録、配車の代行の可否、緊急連絡先の設定等)の学習を行う。

テストに合格後、乗客は3つのアグリーメントに同意する必要がある。滴滴側はまた、乘客とドライバー双方に無料の自動車保険を用意した。すべての手続き完了後、配車サービスがはじめて使用できるようになる。

配車サービス利用前に必要な準備

今の状況は、以前、滴滴の創業者程維氏がメディアに、再開するライドシェアアプリは使いにくくなる可能性があると話したことを裏付ける。

一方、ドライバー側では、全員が新規登録しなければならなくなっている。その方法はドライバーが身分証明書、免許証、車検証と登録車両の情報をアップロードするという形だ。しかし、一部のドライバーによると、再開当日の朝、登録ページではエラーが頻発したため、1時間以上が経っても登録が完了できないという状況が発生したという。

ドライバーが登録するために必要な証明書類

乗客:朝のラッシュアワーにはオーダーするのが難しい

サービス再開当日の朝9時45分、ある乗客は、太原市でオーダーをしてから、1時間以上経っても引き受けるドライバーがおらず、さらに料金を追加しても、状況は変わらなかったという。

同様の状況が常州とハルピンでも見受けられた。例えば、ある乗客は常州市の中心部でオーダーをして20分待っても引き受けるドライバーがおらず、同市の他の場所でも30分以上待ちの状態で、追加料金を支払っても状況は変わらなかった。

また、以前ユーザーに疑問視された社交機能について、再開したアプリでは乗客もドライバーも相手の写真と氏名を知る画面がなく、電話番号の下数桁しか表示されない。また、乗客とドライバーのコミュニケーションもシステムが事前に設定している会話しかできず、自由に会話できる機能もない。オーダーの際は受注まで、ドライバーに1通のショートメッセージしか送信できないように設定されている。

オーダーしてからのアプリの画面およびドライバーとの会話画面

ドライバー:サービス再開の登録インビテーションをもらっておらず、サービス停止した1年では収入が減少

常州と太原の同サービスのドライバーを経験した人によると、サービス再開当日、システムからの再開連絡はなく、サービス再開自体も知らなかったという。

また以前、空走を避けるためにライドシェアをしていたという運転手によると、ライドシェアのサービス停止後1年余りの間に、多く運転手が他の配車プラットフォームを利用し始めた。しかし、他のプラットフォームはオーダーが少なく、彼らの収入は減ったという。

滴滴のライドシェアサービスが再開することを、多くのドライバーが支持している。顔認証などのセキュリティ手段についても理解を示している。ただし、1日に2回しかオーダーに対応できないことについては、ほとんどのドライバーが回数が少なすぎると感じており、より柔軟的な対応を期待している。

(翻訳:小六)

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