バイドゥの自動運転事業部門が組織変更 ロボタクシーに全力投球 

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

大企業注目記事

バイドゥの自動運転事業部門が組織変更 ロボタクシーに全力投球 

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

バイドゥは昨年、たびたび自動運転事業の調整を図ってきた。バイドゥ内部関係者や業界関係者などの情報源によると、同社はIDG事業グループ(自動運転事業グループ)の組織変更を実施し、傘下のスマートカー事業部門(L3)と自動運転事業部門(L4)の二大部門を合併し、技術リソースの統合を図ったという。合併後の自動運転事業部門(L4)の下には、自動運転技術部、スマートカー業務部、自動運転地図業務部が設置された。さらに車路間協調システム関連事業が独立部門となり、スマート交通事業部門が設置された。

バイドゥは昨年第1~3四半期のうち黒字となったのは第2四半期のみで、第3四半期の損失は63億4000万元(約1000億円)に達している。財務報告をめぐるプレッシャーは高まっており、巨額の投資の一方でいまだ収益化を実現していない同社の自動運転業務に関し、カーブアウトによる外部からの資金調達の噂がたびたび伝えられた。だが今年の資本市場は慎重な傾向にあり、この計画は実現に至っていない。同社の自動運転部門が、速やかに技術の導入先を確保し、コストを抑制する必要があるのは間違いない。

リソースの消耗を回避

バイドゥの自動運転事業は2013年に開始され、百度研究院(Baidu Research)が主導していたが、その後自動運転事業部門(L4)やスマートカー事業部門(L3)が立ち上げられた。2017年3月にはこの二部門およびコネクテッドカー事業部門(Car Life etc.)をまとめて自動運転事業グループ(IDG事業グループ)が結成された。さらにその1カ月後には、オープンソースによる自動運転プラットフォーム「Apollo」事業がスタートしている。

本来、スマートカー事業部門(L3)は主に高精細地図、自動バレーパーキング(AVP)、高速道自動運転(HWP)などを担当し、自動運転事業部門(L4)はロボタクシー、無人バス、無人清掃車などレベル4での自動運転ソリューションを担当していた。

こうしたリソースの分散は以前から指摘されていたが、重要な問題はレベル3の市場が成熟しておらず、商業化の進展が遅い点だ。スマートカー事業部門(L3)は主に自動車メーカーに対し、量産型の自動運転初期装備プランを提供しているが、メーカー側のレベル3に対するニーズはいまだ不透明だ。さらに、バイドゥ内部では業務の重心をHWPからAVPに向けているものの、AVP事業の進展も思わしくないという。

「今年の(自動車メーカーの)自動運転に対する熱は大きくトーンダウンし、2020年あるいは2021年にレベル3の自動運転車をリリースする計画はいずれも先送りされている」とボッシュのシャシー制御システム事業の中国エリア総裁を務める陳黎明氏は述べている。

ロボタクシーの完全商業化に期待

現在、IDGの最も核心的な業務はロボタクシー事業の「Apollo Go」となっており、オープンソース事業や無人バスのチームから人材が大幅にあてがわれているという。

バイドゥは昨年4月上旬、複数他社と共同で「湖南阿波羅智行科技有限公司(Hunan Apollo Smart Travel Technology)」を設立し、ロボタクシー事業の運営に参与している。

ロボタクシーは自動運転システムを搭載したサービスで、グーグル系のウェイモや中国の「小馬智行(Pony.ai)」も同様のビジネスモデルに基づく代表的な企業だ。自動運転タクシーは自動車業界ひいてはモビリティ市場全体の変革をもたらし、投資家からの熱い視線を受けている。世界的金融機関であるモルガン・スタンレーはかつて、ウェイモの企業価値が1750億ドル(約19兆1400億円)であるとの見方を示した。

現在、自動運転技術の初期装備量産化が滞り、都市清掃、端末物流、シャトルバスなどの特定シーンが成熟しない状況の中、より遠い存在だったロボタクシーが次々と導入されブレイクスルーを果たしている。バイドゥを含む自動運転企業各社が地方政府の支持を受け、試験運営を実現させているのだ。

バイドゥは9月下旬、Apollo Go事業で初となる45台のロボタクシーを湖南省長沙市に試験投入し、一般市民が事前申請により試乗できるようにした。車両はバイドゥと第一汽車集団(FAW Group)が「紅旗」ブランドの電気自動車版「EHS3」をもとに共同開発したものだ。現在は河北省滄州市での試験運営も決定したほか、ロボタクシーの導入都市の拡大に向けて自動運転の路上試験ライセンス150件を申請済みだ。

とはいえ、ロボタクシーの真の意味での商業化実現はまだはるか先だ。ウェイモは昨年12月に人口の少ない米アリゾナ州で商業化に向けた試験運営を開始したが、それ以降音沙汰がない。またゼネラルモーターズの自動運転開発部門であるGMクルーズは、ソフトバンクやホンダから出資を受けたものの、ロボタクシーの導入をたびたび延期している。

自動運転をめぐる市場競争に近道はない。進むべき方向を見据え、リソースを集中させ、技術改良を絶えず進める中で市場の成熟を待つほかないだろう。(※本記事の執筆にあたっては「未来記者日報」の程瀟熠氏から助言を受けている)
(翻訳・神部明果)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録