中国にアジア初の地上局 OneWebが2021年稼働予定の衛星コンステレーションの一角に

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衛星通信事業を手がける「OneWeb」が2019年11月下旬、中国の海南省三亜市政府と提携枠組み協議を締結し、同市にアジア初の地上局を設置することで合意した。現地のハイテクパーク「三亜中科遥感信息産業園(Sanya Remote Sensing Information Industrial Park)」が共同出資して新会社を設立し、新会社を通じて建設する。OneWebは発表翌日に上海で開催した記者会見で、三亜市を含む中国の3カ所で地上局を設置する考えを明らかにした。

OneWebは合計650基で構成される低軌道(LEO)衛星コンステレーションを構築中で、全世界に高速低遅延のインターネット通信環境を提供していく。同社はプロジェクトを遂行するため、仏エアバス社と合弁で「OneWeb Satellites」を設立し、米フロリダ州に大規模な衛星製造拠点を設けた。

2019年2月、OneWebは最初の衛星6基の打ち上げに成功した。翌3月にはソフトバンク、米クアルコム、メキシコの複合企業「Grupo Salinas」、ルワンダ政府から合計12億5000万ドル(約1400億円)の出資を受け、累計調達金額が34億ドル(約3700億円)に上った。2020年初めから毎月衛星を打ち上げ、急ピッチで衛星コンステレーションを完成させる計画で、年内に取引先向けのデモンストレーションを行い、2021年に全世界でのサービス開始を目指す。

三亜市との提携枠組み協議締結に伴って中国を訪問した同社のアドリアン・シュテッケルCEOは現地メディアの取材に応じた。その内容を以下にまとめた。

――三亜をアジア初の地上局建設地に選んだ理由は。
「第一に地理的な位置、第二に貿易港としての優位性、第三に外資系企業による投資を奨励する政策が理由だ。すでに建設許可は下りているが、周波数の割り当てについては関係行政機関の認可が必要で、完成は2020年ごろになるとみている」

――米「SpaceX」との競合関係は。
「SpaceXも優れた企業だ。しかし事業計画が我々のものとは異なる。我々には我々の強みが、彼らには彼らの強みがあるだろう」

――現段階での衛星の製造能力についてはいかがですか。
「1日あたり2基と急ピッチだ。このためにこれまで30億ドル(約3300億円)を投じてきたが、我々は一貫して資金調達にも注力してきた。今後はスピーディーな資本投下の強化を図ると同時に、より多くの資金調達を行っていく。全世界にサービスを提供するようになれば、これまでのコストや支出は相殺されるだろう。また衛星の製造や打ち上げにかかるコストも低減傾向にある」

――中国市場では何をアピールしますか。
「まずは中国の顧客に最大限のサービスを提供したい。取引先が多ければさらにコストは薄まる」

――将来的にどの程度の頻度で衛星を打ち上げる計画ですか。
「2020年1月から毎月1回、状況を見ながら1回に32~34基の衛星を打ち上げる予定だ。最終的には2021年第4四半期に全世界向けサービスを立ち上げたい」

――宇宙の「混雑具合」についてはどのようにお考えですか。
「衛星同士が衝突する可能性について、外野はやや騒ぎすぎだ。OneWebの衛星は衝突の可能性が1000分の1に達した時点で警報を発する仕組みで、これ以上ないほど念を入れている。衛星のメンテナンスや運用終了後の衛星の回収方法などについては、各国間で共通の法規や基準を設けることが必須だ。我々が考える最大のリスクは衝突事故ではない。それよりも目に見えず追跡不能な宇宙ゴミ(スペースデブリ)が恐ろしい。国際的に連携して厳格な基準を設け、密接に連携する体制を整えて努力し、解決に当たっていくべきだ。
※画像提供:OneWeb
(翻訳・愛玉)

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