リーガルテックが台頭、法律事務所向けのワンストップ型SaaSを提供する「思満科技」の躍進

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法曹界は高度な知識を求められる、従事者数が比較的少ない業界であり、技術革新が難しいニッチなマーケットだ。しかし、ここ2年間の資金調達や取引を見る限り、法務用テクノ ロジー、すなわちリーガルテック(LegalTech)に関する投資はブームを迎えていると言える。

フォーブス誌の統計によると、2018年のリーガルテック分野の資金調達は16.63億ドル(約1800億円)に上り、2017年の2.33億ドル(約250億円)と比べると713%の伸び率になっている。2019年もその熱気は続き、ブルームバーグ子会社のブルームバーグ BNAのウエブサービス「Bloomberg Law」の統計によると、2019年10月までにリーガルテックの資金調達額が12.29億ドル(約1300億円)に達したという。

2019年のリーガルテックの資金調達額トップはカナダの法律業務管理プラットフォーム「Clio」社になると予想されている。2019年9月、Clioは2.5億ドル(約270億円)の資金調達を行ったと発表した。同社は法律事務所の実務、文書、人員、受注などの管理を行うプラットフォームを提供し、潜在顧客の発掘も支援する。

今回取り上げる「思満科技(Smart Team Global)」はClioを手本とするリーガルテック企業だ。同社の創設者兼CEOのSteven Wang氏によると、貿易摩擦や世界の経済成長が鈍化するなか、景気循環の影響を受けにくいリーガルテックは成長のチャンスを迎えるという。

思満科技は2011年に設立され、2016年からリーガルテックに進出。はじめは海外のリーガルテックサービスの中国代理店として活動していた。同社の主な顧客は大手法律事務所だ。

2017年、思満科技は法律事務所向けに法人用SaaSサービス「Matteroom」を開発し、2018年に正式にローンチした。Matteroomを使用すれば、利益相反情報の検索、案件・プロジェクトの進捗管理、タイムチャージ、費用・請求書の取りまとめ、顧客管理、KPIを使ったスマートインサイトができる。法律事務所としては運営コストが下がり、本業に集中できるようになるだけでなく、デジタル資産をルールに則った形でより適切に保管することも可能になる。

思満科技は弁護士が多用する各種クラウドツールと互換性があり、利用者は簡単に別のプラットフォームから同社のサービスへ移行でき、使い方を学ぶコストも低い。Matteroomはまた、中国の2大オフィスツールである「WeChat企業版」やアリババ傘下のオフィスツール「釘釘(dingtalk)」ともインテグレートを実現し、モバイル端末でも業務をこなすことができる。

思満科技は、法律事務所向けサービスに加え、2019年に法律事務所に案件を依頼したクライアント向けの電子帳票・サービスプロバイダ管理プラットフォーム「MATTERLINQ」もローンチした。ここでは、案件、予算、費用、サプライヤー、弁護士のデータベースなどを管理することができる。

Matteroomの顧客は数人程度の小さなチームから数千人規模の大手法律事務所まであり、中小の事務所には業務が軌道に乗るように支援するサービスも提供する。現在同社は中国の大手法律事務所の80%、一流事務所の60%と契約しており、主要取引先には「方達律師事務所(FangDa Partners)」、「大成律師事務所(Dacheng Law Offices)」、「観韜中茂律師事務所(Guantao Law Firm)」などがある。

思満科技の社員は現在約40人で、70%以上が開発スタッフだ。サービスはすべて年会費制で、1アカウントあたりの料金は月換算で数十元から数百元(数百円から数千円)だ。また、追加料金を支払えば文書スキャンOCRサービス、帳票自動作成などの機能を利用することもできる。

思満科技は中国市場だけを見てるわけではない。「サービスの歴史はまだ浅いが、強い生命力を持つ。世界トップレベルのサービスと対決し、全世界で顧客獲得を目指す」と、Steven氏は語る。

(翻訳:小六)

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