フリーランサーの総所得が16兆円超 税金や保険などワンストップで管理する「Freelancer自由客」の狙い

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フリーランサーの総所得が16兆円超 税金や保険などワンストップで管理する「Freelancer自由客」の狙い

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文化クリエイティブ産業のコンサルティングなどを行う「凡影科技(FANINK)」は、同業界の高所得フリーランサー向けのプラットフォーム「Freelancer自由客」を運営している。このプラットフォームでは契約管理、法務に関する相談、会計、医療などのサービスが利用できる。プロジェクトの管理者もこのプラットフォームで求人、プロジェクトの進捗管理、保険、報酬の支払いなどをワンストップで行うことができる。

Freelancer自由客

凡影科技は2014年に設立され、初めは映画、ドラマ業界の市場調査を中心に業務を展開し、これまで400以上の映画、ドラマ、バラエティ番組にコンサルティングサービスを行ってきた。同社の創設パートナー・王義之氏は、業界に対する理解が深まるにつれ、運営力の向上もこの業界の課題だと気付いた。

立ち遅れた業務モデルを改善するソリューション

映画、ドラマの多くがプロジェクト制で製作されている。プロジェクトがはじまると、そのプロジェクトに携わる大量の一時的な求人が発生する。それに伴う人員管理、予算編成、給与の支払い、税務申告などは煩雑を極める。現在、こうした作業は紙ベースで行われており、コストが高いだけでなく、コンプライアンスやセキュリティ上の課題も多い。凡影科技の「Freelancer自由客」を使えば、プロジェクトごとの人員、収支、財務などをすべてSaaSの形でオンライン化できる。

フリーランサーたちに対する支援も必要とされる。王義之氏によると、映画、ドラマ業界のフリーランサーは比較的所得が高い一方で、法務・税務の支援を十分に得られていないという。「Freelancer自由客」はこうした個人のニーズにも対応できる。

なかでも、税務サポートが特に重要だ。この業界の仕事は短期間、非定期的で、かつ明確な報酬基準がないため、監督機関にとって管理の難しい分野である。近年中国で多発している芸能人の脱税問題は、まさにこの問題を反映している。「Freelancer 自由客」では法務・税務サポートのコンサルティングだけでなく、政府機関と情報を共有することで納税、法人登記などの行政手続きを行うこともできる。

「Freelancer 自由客」は、契約書の作成や既存の契約書のチェックサービスや、利用者の能力に見合った仕事のマッチングも行っている。

Freelancer自由客のアプリ画面とWEB画面

新たなタイプのフリーランサーの誕生で所得は1兆元規模に

「Freelancer 自由客」は汎用性が強く、各種新業態に対応できる。近年、インターネット産業の成長により、メイクアップインフルエンサー、動画サイトのコンテンツ製作者、ゲーム配信者などのフリーランサーが誕生した。王義之氏によると、高所得に分類されるフリーランサーは100万人以上に上るという。彼らの年平均所得を100万元(約1600万円)だとした場合、総所得金額は1兆元(約16兆円)以上になる。

「Freelancer 自由客」は、こうした利用者のプラットフォーム上での資金収支額をもとに、一定比率の手数料を取る形で利益を得る。現在の毎月の資金収支総額は数千万元(約数億円)だ。

「Freelancer自由客」は2018年末に杭州で正式にローンチされ、これまで200人近いフリーランサーが会員となっている。また、200以上のプロジェクトの計1万5000名のスタッフにもサービスを提供した。

凡影科技は現在シリーズAの資金調達のため、投資機関とコンタクトを行っている最中である。調達した資金は市場開拓、技術開発に使われるという。

トップ画像はpexelsより
(翻訳:小六)

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