電動バイクのバッテリー充電・交換市場が熱い アリババ出資の「猛獁」が100万基の充電スタンドを設置

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電動バイクのバッテリー充電・交換市場が熱い アリババ出資の「猛獁」が100万基の充電スタンドを設置

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2019年、中国では消費者のニーズの変化や業界の新規則施行に伴い、多く企業が相次いで電動バイクのバッテリー充電・交換サービス市場に参入した。

2017年創業の「猛獁出行」は、電動バイク関連サービスを手がけるスタートアップだ。深圳に本部、常州に生産拠点を置き、中国全土20あまりの都市に支店を構える同社は、IoT、ビッグデータ、AI技術を活用し、電動バイクの開発および製造を行う「猛獁電動(MAMOTOR)」や、コンシューマー向け充電サービスを行う「猛獁充電(MAMCHARGE)」など、電動バイクの開発からバッテリーの充電・交換を一体化させたソリューションを展開している。

同社は2018年2月にキャッシュレス決済「アリペイ(支付宝)」を運営するアリババグループのアント・フィナンシャルから出資を受けた。創業者兼CEOである王振飛氏によると、電動バイクユーザーの多くは二級都市か地方の小~中規模の都市に住んでおり、キャッシュレス決済の方法としてアリペイよりも「WeChatPay(微信支付)」を好む傾向にある。アリペイのユーザー獲得と定着率アップを図るため、アント・フィナンシャルは人々の生活に必要不可欠かつ使用頻度高い電動バイクに着目し、充電料金の決済にアリペイが使えるようにしたという。猛獁出行の販売代理店ではすでにアリペイの導入が始まっており、代理店や専売店はアント・フィナンシャルの低金利ローンといった金融サービスを受けることもできる。

猛獁出行は、2018年3月のサービス開始以来、不動産大手の「恒大集団(Evergrande Group)」や海運大手の「中国海運集団総公司(China Shipping)」といった名だたる企業をはじめ、数千にのぼる不動産管理会社と提携を結んできた。現在、約260都市、3万3000カ所以上のコミュニティで100万基の充電スタンドを設置し、600万人以上にサービスを提供している。一方で、運営およびメンテナンスを行っているスタッフはわずか十数名だ。

王CEOによると、充電スタンドの寿命は3~5年で、各スタンドに12個のプラグが搭載されている。電動バイクは通常2~3日に1回充電が必要で、100人の利用者がいるコミュニティなら3基の充電スタンドがあれば十分だという。さらに他社製品とは異なり、猛獁の充電スタンドの内部構造は非常にシンプルで、3本のケーブルが液晶パネルとボタン基板に接続されているだけ。設置もメンテナンスも簡単に行うことができる。

業界新規格準拠の今年8月に猛獁が発売した電動バイク「MAMOTOR M6」は、最大航続距離100km超、初のバッテリー内蔵型モデルとなった。MCCU(multiple communication control unit)によって高度に統合されたモーター制御、電源制御、車載充電器は、充電器の盗難や、水分・ホコリによる電気火災のリスクを回避できる。テスラでも使用されている自動車レベルの21700バッテリーセルを採用したほか、自動車レベルのバッテリーマネジメントシステム(BMS)を独自に開発し、車載ソフトウェアを更新するOTA(Over the Air Technology、無線通信を経由したデータ送受信)機能を実現した。また、280mmのゆったりとしたフットスペース、優れた油圧式衝撃吸収装置、2.75インチのワイドタイヤを採用している。

現在、猛獁出行の主な収入源は充電設備の販売、充電料金、電動バイクの販売および関連サービスとなっている。代理店の主な収入は充電料金だが、通常半年~8カ月で初期費用を回収できる。

同業他社と比較した猛獁出行の優位性について、王CEOは次のように語った。同社は、400人近い従業員のうち70%が研究開発人材であり、電気自動車レベルの3大システム(電動モーター、バッテリー、車両制御システム)の自社開発に成功した初の中国企業となった。また、IoTクラウドサービス、人工知能、ビッグデータ、ワイヤレス充電等のコアテクノロジーに基づき、バッテリー充電・交換サービスプラットフォームを構築している。このほか、業界規格の制定に携わる企業の一つでもある。マーケティング面では、デジタル広告、ミニプログラム、新しい小売システムの統合によって、実店舗で確実に顧客を獲得すると共に、ディーラーのランニングコストを削減し、業界全体の収益率や利益率アップを実現している。
(翻訳・桃紅柳緑)

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