現地産テスラが納車開始、中国新エネルギー車市場に黒船来襲

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現地産テスラが納車開始、中国新エネルギー車市場に黒船来襲

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中国国産のテスラ誕生には、工場着工から納車までたった1年しかかからなかった。2019年12月30日、テスラは中国上海にある工場にて、中国国産テスラのModel 3の出荷セレモニーを行った。

中国生産の迅速な実現は、テスラにとって、世界最大のEV車市場である中国への進出の鍵であり、成長し続ける中国新エネルギー車市場をも刺激した。

正面対決を回避

2019年の1月から11月までの中国におけるEV車の新車販売台数は104.3万台。一方、新車の総販売台数は2303.8万台であり、EV車の比率はわずか4.53%であった。今後5年において、EVの新車市場は少なくとも5倍に拡大すると見込まれる。

EV車市場もスマホ市場と同様に、消費者の志向が多様で、高性能を求める消費者もいれば、コストパフォーマンスを求める消費者もいる。

従って、新興EVメーカー「小鵬汽車(Xpeng Motors)」や「威馬汽車(WM Motor)」などは、10万元(約160万円)台の市場をターゲットにし、30万元(約480万円)台の国産テスラのModel 3との正面対決を回避するようにしている。

しかし、テスラもコストパフォーマンス、即ちより普及しやすいEV車の製造を目指しているため、今後は10万元台の市場を狙う可能性もある。

競争の突破口を探る

新興EVメーカー「蔚来汽車(NIO)」は中国のテスラを目指し、価格もテスラを基準にしている。

蔚来汽車の2019年度第2四半期の財務データによると、第2四半期の売上高が15.08億元(約240億円)で、純損失が32.85億元(約530億円)だという。未確認情報ではあるが、ここ4年間では合計57億ドル(約6300億円)の赤字が発生し、未配当利益を考慮した場合は実際に220億元(約3500億円)の赤字となるという。

この状況を受けて、蔚来は、付加価値のあるサービスを提供するという対応策を打ち出した。まずは5年間頭金ゼロのキャンペーンを行い、潜在的な消費者を掘り起こす。また、ES8とES6の2車種のオーナー向けに、0元充電サービスを提供し、利用コストを軽減する。さらに販売価格を下げる動きも出ている。

蔚来汽車同様、「比亜迪(BYD)」も一時期販売目標達成が困難な状態だった。

2019年11月までの比亜迪の累計販売台数21.6万台で、創業者の王伝福氏が年始に宣言した38万台の目標はもちろんのこと、実際に計画した30万台の年間販売台数の目標達成も困難となった。

比亜迪の創業者王伝福氏

幸いなことに、同社のEV車は消費者向けのみならず、企業向け市場におけるシェアも大きい。

また、公開資料によると、国産テスラと対抗するために、比亜迪はスーパー電池を発売する予定だという。公称の航続距離は600キロ、寿命は120万キロ、劣悪な環境における安全性は通常の電池より200倍高いという。

業界の関係者によると、テスラの国産化が実現して以降、中国のEV車メーカーの連携が強まっているという。

例えば2019年12月11日に、小鵬汽車が蔚来汽車と連携し、今後は充電スタンドを共用すると発表した。また、公開情報によると、2019年7月に、フォルクスワーゲンと中国の大手自動車メーカー「第一汽車(FAW)」、「江淮汽車(JAC)」が合弁会社を設立し、充電スタンド事業に進出し、充電スタンドエコシステムを整えようとしている。

ドイツ系3社が中国生産を推進

中国の国産メーカーのみならず、ドイツ系のメセルデス・ベンツ、BMW、アウディの3社も新エネルギー車への進出を強化している。

現在、BMWは中国の高級車ブランドの販売台数1位であり、2019年1月から11月までの間に累計5万台のEV車を出荷し、前年同期比で35%超の成長となった。

同社は昨年7月に、「長城汽車(GWM)」との提携を発表し、BMWのEV車の中国での生産を始めるという。また、メセルデス・ベンツは昨年年末に大手自動車メーカー「北京汽車(BAIC)」との提携し、北京で119億元(約1900億円)を投じて中国最初のEV生産基地を建設すると発表した。2020年には、アウディ初のEV車e-tronも中国で生産を開始するという。

テスラの中国生産が、技術やサービス等の面において、現在の中国EV車ブランドに刺激を与え、進化を促したのは間違いない。今後、中国のEV車市場の構成は一変すると思われる。

作者:「鋅刻度」(Wechat ID:znkedu)、陳鄧新

(翻訳:小六)

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